映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.358:「マン・オン・ザ・ムーン」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は358本目。タイトルはミロス・フォアマン監督による、2000年日本公開作品「マン・オン・ザ・ムーン」。特典映像としては、「メイキング」「未公開シーン」「サウンドトラックプレゼンテーション」で、計41分が収録されている。「メイキング」では、監督のミロス・フォアマンが「バカを承知で言えば、私はジム・キャリーとは仕事していなかった。そのくらい私が撮影していたのは、”アンディ・カフマンそのもの”だったんだ。キャスティングは、俳優にアンディ・カフマンを演じたテープを送ってもらうというオーディションを行ったんだが、ジム・キャリーは怖いくらいアンディに似ていた。アンディの望みは、人々が無関心でいられなくなる事なんだ。拍手もブーイングも関係ない。人々の興味をかき立てることだ。だからこの映画が、アンディと同じことを人々に与えてくれたら嬉しいね。」と言い、主演のジム・キャリーは「アンディ・カフマンはコメディアンの守護神だ。ドアを蹴り倒して、”普通にやらなくていい。決まりきったオチなんかいらない”って言うタイプだからね。アンディの気持ちになれば、姿も彼に似てくる。大事なのは形を作ることじゃない。アンディの内面を表現する事で、初めて彼になれるんだ。僕は本当にこの役がやりたかったんだよ。」と語っている。また共演のダニー・デビートは「マイケル・ダグラスの誕生日会で、ミロス・フォアマン監督とアンディ・カフマンが出演していた番組の話になったんだ。監督はその番組の大ファンで、アンディの大ファンでもあった。彼の演じるキャラの二面性や不可解さに強く惹かれていたんだね。彼のパフォーマンスは、何が現実でなにが芝居か分からなかった。だからアンディが死んだとき、誰も彼の死を信じなかったんだよ。」と答えている。

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作品としては、「カッコーの巣の上で」「アマデウス」などを手掛けたミロス・フォアマン監督が、35歳という若さで亡くなった実在のコメディアン、”アンディ・カウフマン”を描いた伝記映画。生前のカウフマンとテレビ番組の収録で交流のあった、ダニー・デビートが製作にも関わっている。ちなみに映画のタイトルは、アメリカのロックバンド「R.E.M.」が発表した、カウフマンをテーマにした楽曲「マン・オン・ザ・ムーン」からの引用で、本作のエンディングテーマでも使用されている。第50回ベルリン国際映画祭では、最優秀監督賞である「銀熊賞」を受賞し、第57回ゴールデングローブ賞では、「最優秀主演男優賞」を獲得した作品だ。主演は「トゥルーマン・ショー」のジム・キャリー、「バットマンリターンズ」のダニー・デビートなど。とにかくアンディ・カウフマンを演じたジム・キャリーの熱演が印象的な作品で、観客を騙くらかし、不愉快にさせる芸風を得意としていたエキセントリックなコメディアンを、嬉々として演じている。まさに生前のカウフマンと同じく、伝記映画といえどもストーリーに感動したりカタルシスを感じたりする映画ではないので、そこは大いに戸惑う。だがこれこそ、アンディ・カウフマンの生涯を描く作品としては正解なのだろう。

 

 

監督:ミロス・フォアマン
出演:ジム・キャリーダニー・デビートコートニー・ラヴポール・ジアマッティ、ヴィンセント・スキャヴェリ
日本公開:2000年