映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.364:「パーフェクト・ケア」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は364本目。タイトルはJ・ブレイクソン監督による、2021年日本公開作品「パーフェクト・ケア」。特典映像としては、「ロザムンド・パイクに聞く舞台裏」で計9分が収録されている。主演のロザムンド・パイクは、「これほど奇妙な作品はめったにないわ。私は主人公のマーラに惚れ込んだの。男性キャラ顔負けの冷酷さと野心を持ち、欲望のためになりふり構わず行動する。そして人に嫌われる事を恐れない、彼女のような女性が登場する映画を待ち望んでいたのよ。彼女が望んでいるのは勝利とお金で、どれも従来の女性キャラクターにそぐわない特徴だった。彼女は観客に驚きを与えてくれるのよ。」と言い、「本作は方向性が明確に決まっていた分、作風を十分に理解した役者やスタッフが必要だった。この映画はブラックコメディで、今のアメリカ社会への風刺なの。そして純粋に笑えるシーンもある。解りやすく、クールで印象的な作品に仕上がっているはずよ。撮影初日の時点で撮影監督も美術監督も作風を理解できていたし、監督のJ・ブレイクソンは自ら脚本を書いたのでビジョンが見えていたわ。辛辣かつダークでシリアスなのに面白い、そしてすごく変わった作品ね。背徳的な喜びを味わえるし、ゾッとするような展開にドキドキするはずよ。」と語っている。

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また「自分は道徳的な人間だとアピールする人が増えている。私が演じたマーラも善人ぶっているけど、あらゆる面で卑劣な人間なの。彼女の道徳観は受け入れがたいものが多いわ。彼女はケアと称して高齢者を喰いモノにしているから。J・ブレイクソン監督が執筆した作品は本人にしか映像化できない。彼のセリフは大胆で勢いがあり、役者を惹きつけるの。内容が素晴らしいうえに、独創性や皮肉が効いた素晴らしい脚本だったわ。」と答えている。


作品としては、「アリス・クリードの失踪」「フィフス・ウェイブ」のJ・ブレイクソンが手掛けた、サスペンスコメディ。主演は「ゴーン・ガール」「プライベート・ウォー」のロザムンド・パイクで、第78回ゴールデングローブ賞ではコメディ/ミュージカル部門で、「主演女優賞」を受賞している。共演は「スリー・ビルボード」「シラノ」のピーター・ディンクレイジ、「ワイルド・スピード スーパーコンボ」「アンビュランス」のエイザ・ゴンザレス、「ハンナとその姉妹」「ブロードウェイと銃弾」のダイアン・ウィーストなど。多くの顧客を抱え、裁判所からの信頼も厚い法定後見人のマーラの裏の顔は、医師やケアホームと結託し高齢者たちから資産を搾り取る悪徳後見人だった。だが彼女が新たに身寄りのない孤独な老人ジェニファーに狙いを定めたことから、マーラは巨大な災厄に巻き込まれていくのだったというストーリーで、ロザムンド・パイク演じるマーラの悪徳ぶりと、彼女が段々と闇に堕ちていく様がスリリングなサスペンスだ。公開規模も小さくあまり有名な作品ではないかもしれないが、とにかく脚本のツイストが面白く、サスペンス作品としてオチも含めて魅力的な映画だと思う。

 

 

監督:J・ブレイクソン

出演:ロザムンド・パイクピーター・ディンクレイジエイザ・ゴンザレスダイアン・ウィースト、ニコラス・ローガン

日本公開:2021年