映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は375本目。タイトルはブライアン・シンガー監督による、2009年日本公開作品「ワルキューレ」。特典映像としては、「ワルキューレの遺産~ドキュメンタリー・オブ・”ワルキューレ”」「インタビュー・ウィズ・トム・クルーズ&ブライアン・シンガー」「ジャーニー・トゥ”ワルキューレ”」「アフリカ最前線シークエンス」「”ワルキューレ”に登場する戦闘機」「ベルリン:街の再現」「ビジュアル・ガイド~ロード・トゥ・レジスタンス」「US版/日本版劇場予告編集」で、計204分が収録されている。インタビューでは、ブライアン・シンガー監督が「僕はユダヤ人だから、子供の頃からナチスによって大量殺戮が行われたことは知っていた。自然と第二次世界大戦の話題も出ていたしね。高校生になって小説などで詳しい知識を得て、改めて歴史の勉強をしたんだが、過去作の「X-メン」では原作コミックに従って、大量殺戮のイメージを取り入れたりした。ドイツではナチスのモチーフを使うことは禁止されているんだが、映画という芸術の一環なら、許可を取れば映画で使うこともできる。でもこの題材を扱う自分の責任を痛感したよ。本作はサスペンス映画だが実話に基づいているため、いまのドイツの人々のためにも事実に忠実な作品を目指した。暗い時代に光を灯そうとした人々を、正確に描こうと努力したよ。」と語っている。
また主演のトム・クルーズは、「まず脚本を読んで、素晴らしいと思ったんだ。よくできたサスペンスだし、人の心を動かす内容だった。だがすぐに疑問が湧いたんだ。”ワルキューレ作戦”については聞いたことはあったから、この脚本の一体どこまでが真実なのか?が気になったんだよ。そこで監督のブライアンに会って話をした。すると出来事も人物像もかなり事実に忠実で、レジスタンスの精神がそのまま脚本に息づいていることが分かった。反乱組織のメンバーの手紙や日記を基にして、書かれたセリフもあったしね。」と言い、「本作の撮影にあたって、ドイツ人としての礼儀作法を学ぶ必要があった。僕が演じたシュタウフェンベルク大佐は強い存在感があり、言葉を発さなくても自分を主張できるような人物だったんだ。彼の伝記を読んでブライアン監督も同様に感じていたようで、大佐の感じるプレッシャーが画面に伝わるように心がけたよ。物語が進むにつれて彼の人間性や気持ちが、特にセリフのない場面からうかがえるはずだよ。」と答えている。
作品としては、「ユージュアル・サスペクツ」「X-メン」「スーパーマン リターンズ」などのブライアン・シンガー監督が、1944年にドイツ国内で起きたヒトラー暗殺計画「7月20日事件」と、そのリーダーだった実在の将校を描いた歴史サスペンス。出演はトム・クルーズ、「TENET テネット」のケネス・ブラナー、「生きる LIVING」のビル・ナイ、「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」のテレンス・スタンプ、「ブラックブック」のカリス・ファン・ハウテンなど。トム・クルーズは本作の製作総指揮も務めている。そもそも英雄的ドイツ人将校を、アメリカ人俳優であるトム・クルーズが演じるというキャスティングの違和感は拭えないし、ブライアン・シンガーらしい大味な演出が目立つ映画だ。公開当時はドイツ国内からも反発を招いたようだが、とはいえ史実である、“ワルキューレ作戦”のことを知ることが出来る貴重な作品ではあると思う。
監督:ブライアン・シンガー
出演:トム・クルーズ、ケネス・ブラナー、ビル・ナイ、テレンス・スタンプ、トム・ウィルキンソン
日本公開:2009年