映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.488:「ノースマン 導かれし復讐者」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は488本目。タイトルはロバート・エガース監督による、2023年日本公開作品「ノースマン 導かれし復讐者」。特典映像としては、「未公開シーン&ロング・バージョン」「こだわり抜いたヴァイキング映画」「出演者それぞれの思い」「アムレートの成人の儀式」「襲撃シーンの撮影」「クナットレの試合」「北アイルランドでの撮影」で、計51分が収録されている。「こだわり抜いたヴァイキング映画」では、ロバート・エガース監督が「できる限り歴史に忠実なヴァイキング映画を目指した。主人公アムレートの復讐の物語は『ハムレット』のモチーフになったんだよ。叔父に両親を奪われた息子が復讐するという周知の物語だね。観客は当然、主人公の復讐を期待するが、この映画では誰が正しいのか分からないんだ。ヴァイキングの文化は神話や詩の宝庫で興味深いよ。もともとは個人的な興味で調べ始めたんだが、筋肉隆々の男たちの切り合いでは終わらない、驚くほど洗練された文化なんだ。」と言い、「自分とは違う考え方をする昔の人々の心に入り込むのが好きなんだよ。私は自分がのめり込まないものは作らない。人生は短いし、映画作りは大仕事だからね。世界観や小道具は歴史に忠実なものを目指せば、何を求めているか皆が迷わなくて済む。共通の基準ができるんだ。本作に関わった全員が目標は”正確さ”だと分かっていた。だから足並みが揃い、連帯が生まれるんだよ。本作は誰もが共感できる物語だ。家族の物語であり、愛の物語でもあるんだ。」と語っている。

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また主演のアレクサンダー・スカルスガルドは「今までもヴァイキングの物語は多い。でも本作はアイスランドのサガ的な簡明さを大事にしたんだ。そしてスカンジナビアのアムレート王子の話が起源だ。脚本の草稿を読み、嬉しくて叫びかけたよ。ヴァイキングの文化や人々がリアルに描かれ、魂が込められていたからね。まさに僕が望む作風だった。この映画は神秘的なところが魅力なんだと思う。北欧神話にはノルンという3人の運命の女神がいて、彼女たちは人間の人生のタペストリーを織る。人の意志はあるが運命は定まっているんだ。壮大なタペストリーが仕上がると、初めて人生が完成し実体が分かるという考えだね。冒険を追い求める好奇心は人間の本質的な部分だ。」と言い、「ロバート・エガース以上に強い絆を感じた監督はいない。当時の雰囲気を掴める監督だよ。古いアイスランドのサガやヴァイキングの文化や歴史に学者並みに詳しいんだ。少しでも史実と違うとダメ出しさ。何より観客が没入できることが大事なんだ。30年間夢見てた映画を撮れたから、感動したよ。」と答えている。

 

作品としては、「ウィッチ」「ライトハウス」を手掛けたロバート・エガース監督が、北欧の大地を舞台に父親の復讐を描いたアクション大作。ヴァイキングの生活を忠実に再現したことでも話題となった。過去2作品は小規模作品だったが、本作はユニバーサル・ピクチャーズの配給と豪華キャストの出演もあって大作となっている。出演は「ゴジラvsコング」のアレクサンダー・スカルスガルド、「マッドマックス:フュリオサ」のアニャ・テイラー=ジョイの他、ニコール・キッドマンウィレム・デフォーイーサン・ホークなどのベテラン勢も名を連ねている。アクション演出には課題を感じるが、北欧を舞台とした本格ファンタジー映画であり、特に”ヴァイキング”を描いた作品として見応えのある作品になっている。

 

 

監督:ロバート・エガース
出演:アレクサンダー・スカルスガルドニコール・キッドマンウィレム・デフォー、アニャ・テイラー=ジョイ、イーサン・ホーク
日本公開:2023年