映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.492:「王の男 デジタルリマスター版」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は492本目。タイトルはイ・ジュンイク監督による、2006年日本公開作品「王の男」。特典映像としては、「旅芸人の日記(メイキング)」「告白(イ・ジュンギはじめ豪華キャスト・インタビュー集)」「封印された秘密(未公開シーン)」「禁断の宮廷内部(美術・衣裳舞台裏メイキング)」「燕山君のための弁明(検証コンテンツ)」「密着!写真撮影舞台裏」「『王の男』記者会見集」「声優インタビュー集(森川智之石田彰堀内賢雄)」「『王の男』来日映像集」で、計124分が収録されている。「旅芸人の日記(メイキング)」では、監督のイ・ジュンイクが「元々の戯曲は観ていないんです。台本は読んだけど、難解で理解できなかった。私はもともと良く分かっているものには興味が湧かなくて、エネルギーが出せません。でも知らないことに対しては強い好奇心と執着が生まれます。作品中の”綱渡り”は人生を象徴しています。誰もが人生の綱を渡るように、この作品の登場人物も自分の綱を渡っていくんです。本作では出来事より人物そのものに焦点を合わせていますね。過去の作品の焼き直しにならないように選択したので、次の作品も『王の男』とはまったく違うものを撮りますよ。この物語が映画として世に出て、幅広い世代の大衆に受け入れられたのは作品の中の教訓が多様だったからでしょう。この映画は動員が1,200万人を超えましたが、どんな目的で観たとしてもどんな批評をされたとしても、多角的に消費されたことを本当に幸せに思います。」と答えている。

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また撮影監督のチ・ギルンは「映像に関しては欲張らないんです。ただ俳優がどれだけ役にハマっているのかを映し出そうとしました。”カメラを観客に意識させない事”を目指そうと、脚本を読んだ時に考えましたね。他の作品と違って本作は、”目の色”が目立っていると思います。俳優は目で観客に語り掛けるので、その色の変化を逃さずにきちんと映していれば皆を幸せにする作品になると思っていました。逆に理由もなくカメラが動き回るのは絶対にやりたくなかったですね。」と語っている。

 

作品としては、「王の運命 -歴史を変えた八日間-」「金子文子と朴烈(パクヨル)」などのイ・ジュンイク監督が手掛けた、歴史ドラマ。2005年当時の韓国において1,230万人という破格の動員歴史を記録する大ヒットとなり、韓国の映画賞である”大鐘賞”では作品賞を含む10部門を受賞している。「王を笑わせることが出来なければ処刑される」というストーリー展開は、松本人志監督の「さや侍」にも確実に影響を与えていると思うが、旅芸人の男たちの悲哀が見どころの作品だろう。

 

 

監督:イ・ジュンイク
出演:カム・ウソンイ・ジュンギ、チョン・ジニョン、カン・ソンヨン、チャン・ハンソン
日本公開:2006年