映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は513本目。タイトルは今敏監督による、1998年日本公開作品「パーフェクトブルー」。特典映像としては、「パーフェクトブルー講座」「メイキングビデオ『into the BLUE』」「劇場版オリジナル予告編」「監督自身が編集したプロモーション映像」で計159分が収録されている。「メイキングビデオ『into the BLUE』」では、監督の今敏が「今までのアニメアイデアのネタで、アニメはなんでも描けるのにどうして偏ったものしか出てこないのかと思っていました。いつまでもSFロボットや美少女モノばかりでつまらないし、関係者は”そうじゃないと予算が出ない、企画が通らない”と言うんだけど結局、それが好きなんじゃないかなと。だから自分が作るんだったら、違う視点のものを持ち込みたかったんです。ただ最初はビデオ作品の企画だったので気楽だったんですけどね。」と言い、「原作者から変えても良いという有難い言葉をもらったので、色々と変更していったんですが、変更できないキーワードしてはアイドルとストーカーの話、それからホラーであること位でしたね。だから不自由さは感じなかったです。今回の作品は、劇中劇とか入れ子構造みたいなスタイルが良いなと思ったんですが、”もう一人の私”というワードが出てきた時に、ストーリーになるかなと思いました。脇役のキャラクター造形にはアクが強いことを求めまし、音楽には心情表現を託しましたが、どこで入れてどこで切るかが難しかったから音響監督におんぶにだっこでしたね。」と語っている。
また「これからもアニメーション作品を作りたいですね。漫画を描きたくないという事ではないですし、実写を撮らないかというお話も来るんですが。元々絵を書きたいという所からスタートして、段々とシナリオを書いたりアニメーションを作ったりしているうちに、”面白い作品”を作りたいという思いが強くなっています。今回の『パーフェクトブルー』を作って解ったこと、解らなかったことをしっかり補強したいです。アニメ制作は時間がかかるんでね。」と答えている。
作品としては、日本を代表するアニメ監督のひとりであり、本作の他に「東京ゴッドファーザーズ」「千年女優」「パプリカ」の長編4作を残して46歳という若さで2010年に亡くなった今敏の初監督作品。キャラクター原案は、漫画家の江口寿史が担当している。凄惨な死体描写やレイプシーンなどもあるため、国内レイティングはR-15+(他ほとんどの国ではR18+)だが、アニメーションでのサイコホラージャンルとしては先鋭的な作品だろう。公開25周年である2023年には初の4Kリマスター版が全国劇場で上映されている。アイドルから女優に転身した霧越未麻が、次々と悪夢のような出来事に襲われることによって虚構と現実の狭間で揺れるストーリーで、海外でもダーレン・アノロフスキーなど多くのクリエイターに影響を与えている作品だ。