映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は517本目。タイトルはクリント・イーストウッド監督による、2019年日本公開作品「運び屋」。特典映像としては、「メイキング・オブ“運び屋”」「ミュージック・クリップ “Don't Let the Old Man In” by Toby Keith」で、計13分が収録されている。「メイキング・オブ“運び屋”」では、クリント・イーストウッドが「私は常に挑戦的な役や新たなテーマを探すんだ。すると面白い物語が見つかることがある。今作は今までの作品とは違って、数奇な物語だが実話に基づいている。主人公アールは最高の運び屋で誰にも怪しまれないんだよ。90歳にしてメチャクチャな人生を歩む人物だが、私は頭を絞りながらこの作品を作りたいと思った。『グラン・トリノ』と同じく年配の役だが、2人はタイプが違う。『グラン・トリノ』の主人公コワルスキーは静かだが、本作のアールは繊細だが冒険的でまるでロビン・フッドだ。刺激的なドライブをし、人付き合いも好む。しかし2人とも最終的に変化する物語なんだ。」と言い、「実の娘との仕事は良かったが、”お父さん”と呼ばれると時々”何だ?”と素で反応してしまったよ。ブラッドリー・クーパーは頭のいい俳優で、全てを出し切ってくれた。乗り越えねばならない障害や対立を描いた物語が好きなんだ。単純な構成じゃないが、この映画はユーモアがあり劇的で、魅力的な登場人物がいる。誰にでも人生の障害となるものはあるけど、基本はいかに自分の感情を観客に届けるかなんだ。」と語っている。
作品としては、数々の名作を残してきたクリント・イーストウッドが88歳で監督/主演した犯罪映画。イーストウッドの監督主演作品としては2008年の「グラン・トリノ」以来、約10年ぶりとなる。出演としては「世界にひとつのプレイブック」のブラッドリー・クーパー、「ジョン・ウィック」シリーズのローレンス・フィッシュバーン、「クラッシュ」「アントマン」シリーズのマイケル・ペーニャ、「アンタッチャブル」のアンディ・ガルシアなど豪華キャストが揃っている。またイーストウッド監督の実娘アリソン・イーストウッドが出演している事でも話題になった。本作はイーストウッド監督作として6本目の世界興行収入1億ドルを超えた作品で、「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」「グラン・トリノ」「アメリカン・スナイパー」などの名作と肩を並べる大ヒットになった。犯罪歴のない90歳の老人が麻薬カルテルの”運び屋”になるという、キャッチーな内容が世界中で受け入れられたのだろう。派手さはないものの、イーストウッドが自分の半生を振り返っているような感慨深い一作だ。
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン、アンディ・ガルシア、マイケル・ペーニャ
日本公開:2019年