映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は519本目。タイトルはクリント・イーストウッド監督による、1999年日本公開作品「トゥルー・クライム」。特典映像としては、「メイキング」「ドキュメンタリー」「ミュージック・クリップ:ダイアナ・クラール『ホワイ・シュド・アイ・ケア』」「オリジナル劇場予告編」で、計35分が収録されている。「メイキング」では、監督/主演のクリント・イーストウッドが「小説を映画化するのは難しい。原作本にはモノローグが大量にあり心情描写も細かくて、映像化しきれないからね。見せ方としてアップの映像を使うのも効果的だが、何より脚本が重要だ。僕はまず先に脚本を読んで、後から原作を読み返すのが好きだ。脚本にしにくい箇所も見えてくるからね。監督になるには俳優の経験が必要だった。その名残りで今でも出演したりするけどね。監督と役者の兼任は難しいこともあるが、単純な場合もある。”監督と役者”の間に意見の相違がないんだから、自分が思い描く通りにやればいいいんだ。僕は上手い役者と組むのが好きだ。演じるうちに場面が自然に展開するからね。感情の高まりを無駄にしないよう、それを確実に撮影するんだよ。」と語っている。
作品としては、「許されざる者」「マディソン郡の橋」「ミスティック・リバー」「ミリオンダラー・ベイビー」などのクリント・イーストウッドが、監督/出演/製作したサスペンス。アンドリュー・クラヴァンによる原作小説「真夜中の死線」の映画化である。酒と女癖の悪さですっかり落ちぶれた、かつての敏腕新聞記者スティーブ・エベレットをクリント・イーストウッドが嬉々として演じているが、手あたり次第に女性を口説くアウトロー役は感情移入しやすかったのかもしれない。冤罪の黒人死刑囚の執行を阻止するため、たった1日の数時間で事件の真相を突き止めるというサスペンス展開はリアリティに欠けるが、ラストシーンでは穏やかな気持ちになる佳作だ。それにしても撮影当時60代中盤で、この好色キャラクターが不自然なく演じられるのは、やはりクリント・イーストウッドならではだろう。
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、イザイア・ワシントン、ジェームズ・ウッズ、デニス・リアリー
日本公開:1999年