映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は521本目。タイトルはユン・ジョンビン監督による、2019年日本公開作品「工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス) と呼ばれた男」。特典映像としては、「メイキング」「ファン・ジョンミン&イ・ソンミン&チョ・ジヌン&チュ・ジフンから日本のファンへのメッセージ」「キャラクター予告編/オリジナル予告編集(特報/メイン予告/カンヌ バージョン)」「日本版予告編」で、計15分が収録されている。「メイキング」では、監督のユン・ジョンビンが「黒金星(ブラック・ヴィーナス)の実話を基にしたスパイ映画です。取材している時に偶然”黒金星”というスパイを知り、こんな人物がいたのかと興味を持ちました。物語は1989年に事業家に偽装した男が、北朝鮮高官に接触するのが始まりです。一般的なスパイ映画はアクションが中心ですが、本作はまったく違う形で物語が進みます。そしてこの映画はスパイの本質を描いていると思います。」と言い、「主演にはまずファン・ジョンミンさんが浮かびました。必要なのは軍人の不愛想さと純朴さ、そして善と悪の共存でしたから。”我々は何を守るために闘うのか?”そんな疑問を投げかけたかった作品なんです。」と語っている。
さらにプロデューサーのグク・スランは「北朝鮮のピョンヤンなどの場所を、どこまでリアルに再現できるかとても悩みました。北朝鮮保衛部にいた脱北者たちに1つ1つ監修してもらいましたね。」と言い、主演ファン・ジョンミンは「本作を撮るまで”黒金星”の存在は全く知らず、驚きました。スパイ行為というのは高度な心理戦ですが、本作はまるで”マウスアクション”でした。セリフが多くて、シェイクスピア劇のようでしたよ。現場での話し合いで、大変なシナジー効果が生まれた作品です。監督はとても粘り強い方で明確な考えを持っています。本作にはみんなで団結した痕跡がありますよ。」と答えている。
作品としては、「悪いやつら」「群盗」のユン・ジョンビンが、韓国諜報部から北朝鮮に工作員が送り込まれたという実話に基づいて作られた、心理スパイサスペンス。出演は「新しき世界」「哭声/コクソン」「アシュラ」などのファン・ジョンミン、「華麗なるリベンジ」「目撃者」などのイ・ソンミン、「最後まで行く」「警官の血」のチョ・ジヌン、「神と共に」のチュ・ジフンなど。硬派なスパイ映画であり、北朝鮮の描き方なども含めてかなり挑戦的な作品でありながら、国境を越えた友情物語でもある本作。特にラストシーンでは大いに泣かされる。クオリティが高い韓国映画の中でも、近年屈指の完成度の作品だと思う。
監督:ユン・ジョンビン
出演:ファン・ジョンミン、チュ・ジフン、イ・ソンミン、チョ・ジヌン
日本公開:2019年