映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.523:「キャッシュトラック」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は523本目。タイトルはガイ・リッチー監督による、2021年日本公開作品「キャッシュトラック」。特典映像としては「監督&キャスト インタビュー集:ガイ・リッチーエディ・マーサンジョシュ・ハートネットスコット・イーストウッドホルト・マッキャラニージェフリー・ドノヴァン/ニーヴ・アルガ―」「TV スポット」「日本版予告編(ロング・ショート)」「オリジナル予告」で、計35分が収録されている。「監督&キャスト インタビュー集」では、ガイ・リッチーが「『キャッシュトラック』は復讐の物語だ。舞台はロスにある現金輸送の会社で、ジェイソン・ステイサム演じるHが復讐に燃えて、息子を殺した犯人を捜していく。そんなH自身も犯罪組織の親玉なんだ。本作はいくつか辛いテーマが出てきて、目の前で子供が殺されてしまった親の復讐だが、その気持ちには共感できるんだ。本作は今までのどの作品よりも、徹底的に暴力的でおそらく現実的だと思う。」と言い、「ジェイソンは素晴らしい俳優だ。僕が彼を『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』で初めて出演させて、彼のセリフから映画を始めた。スターになるべきだと思っていたから実現して嬉しいよ。今度はコメディ以外で久ぶりに一緒にやりたいと思ったんだ。本作はジェイソンとの再会にピッタリの物語だった。深刻なテーマだが彼が演じるのに完璧な映画だったと思うよ。出演交渉は簡単だった。電話して2分ほど作品の説明をしただけだ。彼とは22年の付き合いになるが、今の方が仲が良いかもね。また一緒に映画を作りたいよ。」と語っている。

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また「僕の演出のやり方に驚く俳優がいるのは知っている。僕はまず予定表を作ろうとする。でも固め過ぎず、最初に決めた予定から変えて、役者と一緒にセリフや筋をその場でできるだけ改善していくんだ。経験上5割増しで良くなるよ。だけどセリフの多い役者はつまずくこともある。それは気の毒だけど撮影現場に身を置くと、その場の状況に影響されて台本が進化していくんだ。映画には創造性を発揮できる要素が多い。特にオープニングクレジットは独創的にできるから、時間をかける価値があると思うが本作はかなりうまくいったよ。今作もオリジナルの曲を使っていて、耳馴染みのある曲を被せるのはやめたんだ。このオープニングがその後の作品のトーンを決めてくれたよ。映像については聖書の表現を意識している。悪魔や天使のイメージやシンボルを中心に使ったんだ。」と答えている。

 

作品としては、「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」「スナッチ」でタッグを組んだ、ジェイソン・ステイサムガイ・リッチー監督が、「リボルバー」以来16年ぶりに再タッグを組んだクライム・アクション。フランス映画「ブルー・レクイエム」のリメイク作品でもある。ガイ・リッチー作品としてはコメディ要素がまったくない、硬質なリベンジアクション映画に仕上がっており、かなり面白い。特に終盤で主要キャラクターたちが無造作に死んでいく様子は、ハリウッド映画らしからぬドライな手触りになっている。主演のジェイソン・ステイサムも犯罪組織のボスであり、息子を亡くした父親という役柄がハマっており、いつもと同じく”無敵な男”を演じてはいるが哀愁と悲しさを漂わせている。日本ではそれほどヒットしなかったが、ガイ・リッチー監督の新たな代表作だと思う。

 

 

監督:ガイ・リッチー
出演:ジェイソン・ステイサムスコット・イーストウッドホルト・マッキャラニージェフリー・ドノヴァンジョシュ・ハートネット
日本公開:2021年