映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は531本目。タイトルはポール・キング監督による、2023年日本公開作品「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」。特典映像としては、「監督が語る“愛される物語”の魅力」「美しい音楽の舞台裏」「ウォンカの世界へようこそ」「素晴らしい衣装」「チョコレートの魔術師」「ミュージック・シーン集」で計73分が収録されている。「監督が語る“愛される物語”の魅力」では、監督のポール・キングが「とても幸運なことに今回初めて原作者ロアルド・ダールの遺族が、原作にない話を描くことを許可してくれたんだ。史上屈指の偉大な作家の志を受け継ぐのは緊張するが、任せてもらえて光栄だった。本作は『夢のチョコレート工場』の姉妹版にしたかったんだよ。多くの人が大切にしている物語を題材に、新たな映画を作るのは本当に難しい。本作のウィリー・ウォンカは若く純真で楽観的で、ジーン・ワイルダー版のウィリーになる前の話だ。1971年の映画版ウィリーが若者だった頃を想像してみたんだよ。舞台は1948年で”堅苦しさ”が残る時代だから、ウィリー・ウォンカが現れて人々のくすんだ生活に鮮やかな彩りをもたらすという、本作の内容にも合うと思ったよ。まずウォンカの天才的な発想の源は子供時代にあると考えたんだ。食べ物と言えば”故郷の味”を思い出す。誰にでも心に残るような特別な料理があって、ウィリー・ウォンカは天才的なクリエイターとして、最高の食材を求めて7年かけて世界中を旅している。そして最初に出会った”母親のチョコ”の味を再現しようとしているんだ。」と語っている。
また「ウォンカはどこか神秘的で不安定な印象にしたかったが、彼は作品の要だから極端なキャラクターにするのは避けた。我々としては、ティモシー・シャラメが圧倒的な第一候補だったね。並外れた才能があるし、別次元からやってきたような現実離れした雰囲気がある。ウォンカの異世界的な本質をティモシーは捉えてくれたよ。さらにウィリー・ウォンカの映画にウンパルンパは欠かせなかったが、ウンパルンパがウィリーを追う展開の方が面白いと思ったんだ。緑の髪とオレンジの肌、そして奇妙な踊りが彼の大事な特徴だと思うし、”膝丈よりも小さい”という原作設定は1970年代の実写化では難しかっただろうから、本作では原作に忠実な大きさにしようと思った。それにはヒュー・グラントが適役だったね。野心的な大作だから完成までは長い道のりだったが、優れたキャストと共に過ごせて嬉しかったよ。」と語っている。
作品としては、傑作ファミリー映画「パディントン」「パディントン2」を手掛けたポール・キングがメガホンを取った、ミュージカル・ファンタジー映画。ロアルド・ダール原作「チョコレート工場の秘密」の主人公ウィリー・ウォンカの若き日を、完全オリジナルストーリーで描いている。出演は「DUNE/デューン 砂の惑星」シリーズのティモシー・シャラメ、「アバウト・ア・ボーイ」「ラブ・アクチュアリー」のヒュー・グラント、「ザ・プレデター」のキーガン=マイケル・キー、「シェイプ・オブ・ウォーター」のサリー・ホーキンス、新人のケイラ・レーンなど。本作は日本で圧倒的な知名度のある、ジョニー・デップ主演/ティム・バートン監督版の2005年公開「チャーリーとチョコレート工場」ではなく、ジーン・ワイルダー主演/メル・スチュアート監督の1971年版「夢のチョコレート工場」の前日譚としての作品なので、ティム・バートン版だけを観ているとウォンカのキャラクターには違和感を覚えるだろう。ポール・キング監督らしい、老若男女に受け入れられる良い音楽とコメディと感動シーンが見事に融合した、バランスの良い作品だと思う。
監督:ポール・キング
出演:ティモシー・シャラメ、ケイラ・レーン、ヒュー・グラント、キーガン=マイケル・キー、サリー・ホーキンス
日本公開:2023年