映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は535本目。タイトルはビクトル・エリセ監督による、2024年日本公開作品「瞳をとじて」。特典映像としては「インタビュー集」「予告編集」で、計10分が収録されている。インタビュー集では、主演のマノロ・ソロが「ビクトル・エリセ監督が長い沈黙を破ってついに新作を発表する。スペインと世界の映画における新たな神話だよ。明確なイメージと共に練り上げた脚本で、そのシーンの奥にはどんな想いがあるのかを私たちに伝え続けるんだ。本作でビクトルは映画と自分を語っているが、彼にとって”映画”とはどういう存在なのかを伝えているんだ。」と言い、共演しているマリア・レオンは「30年の時を超えてビクトルは私的な物語を語り続ける。力強い勇気を示しているのを感じるわ。映画監督という仕事への愛と自分の生き方についても描いているの。これは彼自身の物語なのよ。こんなに緊張した現場は久しぶりだった。仕草や行動の一つ一つに深いメッセージがあるの。シーンが目指すものをトーンも含めて理解しても、”もっとあるはず”と思わせてくれる作品ね。」と語っている。
また共演者のホセ・マリア・ポウは「多くのスペイン人が彼の映画に心を打たれた。私もその一人だよ。『ミツバチのささやき』と『エル・スール』を観てビクトルが映画を作り続けることを心から願った。この映画はご褒美のような名作だよ。心を癒す力を持つ映画へのオマージュだ。銀幕に映される物語を通して、自分自身をより深く知る。そして私たちに自分を受け入れる力を与えてくれる映画なんだよ。」と言い、名作「ミツバチのささやき」にも出演していたアナ・トレントは「この作品は監督自身の人生と映画を投影している。映画と言う芸術そのものもね。どんな作品になるか注目が集まり、監督はプレッシャーと大きな責任を感じているはずよ。この映画では親友の記憶を辿りながら、主人公のミゲルは彼がどんな人間で何が起こり得たのかを想像する。記憶をめぐる美しい内省よ。過去と現在の映画を象徴するものが現れる映画なの。」と答えている。
作品としては、長編第一作として1973年に「ミツバチのささやき」を発表した(日本公開1985年)、巨匠ビクトル・エリセによる長編新作。長編第二作「エル・スール」が1983年公開(日本公開1985年)だったので、オリジナル作品としては約31年ぶりの新作となる。(長編第三作「マルメロの陽光」はドキュメンタリー作品)「ミツバチのささやき」に出演し印象的な役柄を演じたアナ・トレントが、再びアナ役を演じることが話題にもなった。第76回カンヌ国際映画祭ではプレミア上映されている。失踪した俳優であり親友の行方と記憶を探る元映画監督の旅を描いた作品で、”映画”を巡る人たちを描いたヒューマンミステリーだ。本編2時間49分と上映時間は長いが、ゆったりとした作中の流れを楽しむべき作品だろう。
監督:ビクトル・エリセ
出演:マノロ・ソロ、ホセ・コロナド、アナ・トレント、マリア・レオン、ホセ・マリア・ポウ
日本公開:2024年