映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.538:「ゴーストワールド」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は538本目。タイトルはテリー・ツワイゴフ監督による、2001年日本公開作品「ゴーストワールド」。特典映像としては、「メイキング」「ミュージッククリップ」「未使用シーン」「撮影風景」「インタビュー」「予告編」で、計70分が収録されている。「メイキング」では、テリー・ツワイゴフ監督が「原作を読んだ妻がすごく気に入り、映画化を勧めてきたんだ。そして原作を読んで魅了された。セリフが斬新だし、とにかくキャラクターが個性的だ。僕は若い頃、主人公のイーニドと同じジレンマを抱えていた。彼女は世間に馴染めないし、アーティスト特有のジレンマがあるんだ。日記の代わりに絵を描く彼女は観察力があり、感受性も豊かで頭もいい。でも美術の先生には評価されないんだよ。ソーラ・バーチは信じられないくらい漫画にそっくりだった。彼女は感情を幅広く表現できる女優だよ。」と言い、「シーモア役はスティーヴ・ブシェミ以外は考えられなかった。彼はコメディも合うしね。電話で出演交渉してたら、妻が”スティーヴ・ブシェミ?もし私が誰かと浮気するならハリソン・フォードでもブラッド・ピットでもなく彼だけよ”と言ってたよ(笑)。確かに僕の妻は変わり者だけど、ブシェミのファンは実際に多いんだ。この作品は笑えるけど、切ない不思議な映画だよ。自画自賛する意味じゃなくて、客観的に見てそう思うんだ。笑いと悲しみが相まって不思議な印象を与えるよ。『ゴーストワールド』というタイトルの意味は難しいね。”西洋文明の衰退”ってのはどう?」と語っている。また主演のソーラ・バーチは「”この役はやるべきだ”とみんなに言われたわ。テリー・ツワイゴフ監督のセンスは最高だからとね。主人公のイーニドは高校は卒業したけど目標がないの。何がやりたいか、そして自分自身が分からない。だから彼女は服装や髪の色を変えたり、時には性格も変えてみたりするのよ。この映画はある意味で最高にイカれてるわ。」と言い、共演のスカーレット・ヨハンソンは「10年の付き合いを感じさせるのは、最初は苦労したわ。ソーラ・バーチとは初対面だったからね。だから努めて一緒に行動するようにしたの。この作品は能天気なコメディ映画とは全く違うわね。」と答えている。

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作品としては、ダニエル・クロウズのカルトコミックを原作に、「バッドサンタ」「アートスクール・コンフィデンシャル」などのテリー・ツワイゴフが長編初監督作としてメガホンを取った、コメディ青春ドラマ。出演は「アメリカン・ビューティー」などのソーラ・バーチ、「マリッジ・ストーリー」などのスカーレット・ヨハンソン、「ビッグ・リボウスキー」などのスティーヴ・ブシェミ、「スリーパーズ」のブラッド・レンフロなど。撮影当時バーチは17歳、ヨハンソンは15歳で独特の空気感を醸し出している。第74回アカデミー賞では「脚色賞」にノミネートされており、疎外感を抱えて生きる少女2人の日常をポップに描きつつ、特にソーラ・バーチ演じるイーニドのアウトサイダーな生き方を時にコミカルに時にシニカルに描いた作品だ。2023年には22年ぶりに日本で劇場公開されており、今もなお色褪せない青春ドラマの傑作だろう。

 

 

監督:テリー・ツワイゴフ
出演:ソーラ・バーチスカーレット・ヨハンソンスティーヴ・ブシェミブラッド・レンフロ
日本公開:2001年