映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は546本目。タイトルはユン・ジェギュン監督による、2014年日本公開作品「国際市場で逢いましょう」。特典映像としては、「キャラクター紹介」「メイキング」「削除シーン」「舞台の裏側」「近現代の風景」「70代のキャストたち」「世界観を盛り上げる音楽たち」「ポスター撮影現場」「オリジナルティザー予告編/オリジナル予告編」で約174分が収録されている。「メイキング」では、監督のユン・ジェギュンが「この映画を撮ろうと思ったきっかけは10年前にありました。1人目の子供が生まれたんです。世の父親たちもそうでしょうが、私は特に亡くなった父を思いました。家族のために働き通しだった父に御礼する言えなかったことをずっと悔いてましたし、自分が父親になって後悔の念が強くなったんです。だからいつかチャンスがあったら、家族のために生きた父親の物語を撮ろうと思ったんです。本格的な準備は「TSUNAMI」の公開後で、2009年から本作の準備を始めました。でもこの映画を撮るといったら、皆が反対しましたよ。ご年配の方は好むだろうけど、若者にはウケないと言われたんです。専門家も興行については予測不可能でした。制作費の算出をしたところ、「TSUNAMI」より高額でジャンルも内容も大ヒットするとは誰も思っていませんでしたから、期待は大きくなかったです。」と語っている。
また「私が作るのは自分が観たい映画です。昔からハリウッド映画や香港映画のような面白い映画が好きでした。面白い映画を観て育ったんで、どんな映画でも製作する時の基準は”自分が観たいかどうか”です。でも『国際市場で逢いましょう』は少し違いました。過去に撮ったのはハイコンセプトな映画で、1分説明すれば”面白そう”と思ってもらえるものでしたが、本作のコンセプトは、関係者から”面白くない”と返ってきてしまうような映画だったんです。本作は一貫したテーマを探すのに苦労しました。この映画は大きく分けて4つの段落があります。台本を書くのはコロンブスの卵と同じで、一貫したテーマを見つけなければいつ完成させられるか分かりませんが、ある時、先輩監督から”父との約束がいいと思う”とアドバイスをもらったんです。頭をハンマーで殴られた気分でした。スタッフからは”この作品は、映画を5作撮るのと同然だ”と言われましたね。監督としては、すべての段落に”起承転結”を作る方法で、この一貫したテーマを表現しました。」と答えている。
作品としては韓国では観客動員数は1,400万人を突破し、歴代観客動員数4位を記録した大河ドラマ。監督は前作「TSUNAMI ツナミ」でも、1,132万人動員という記録を打ち立てたユン・ジェギュン。出演は「ベテラン」「工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」のファン・ジョンミン、「シュリ」「告白、あるいは完璧な弁護」のキム・ユンジン、「オールド・ボーイ」のオ・ダルス、「7番房の奇跡」チョン・ジニョンなど。釜山の国際市場を主舞台に、朝鮮戦争で父と末の妹と生き別れになり、母と残された2人の弟妹とともに避難民として釜山で育ったドクスを主人公に、激動の時代を家族のために生きたひとりの男の生涯をつむいだ作品だ。ラストシーンのファン・ジョンミンの演技とセリフには本当に泣かされたが、それ以外のシーンも本当に魅力的で見飽きない。テーマは重そうだが全体的に軽めのタッチで、非常に観やすいことも本作のポイントだろう。
監督:ユン・ジェギュン
出演:ファン・ジョンミン、キム・ユンジン、オ・ダルス、チョン・ジニョン、チャン・ヨンナム
日本公開:2014年