映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は560本目。タイトルはドン・シーゲル監督による、1971年日本公開作品「白い肌の異常な夜」。特典映像は「予告編」のみ。「突破口!」「ラスト・シューティスト」のドン・シーゲル監督、主演クリント・イーストウッドのタッグ作であり、「真昼の死闘」「マンハッタン無宿」「アルカトラズからの脱出」など全5本の作品で組んだ3作目にあたる。このコンビの最高傑作は「ダーティハリー」だと思うが、本作では女性だけの寄宿舎の中でイーストウッドが酷い目に遭うという彼の出演作の中でも異色の一作だろう。特にドン・シーゲル監督は「私が作った中で最高の映画。多分これから作る作品を入れても最高の作品だ。」と語っているように、監督にとっても特別な一作になったようだ。
作品としては、南北戦争末期、女性のみで自給自足の生活を営む寄宿舎に、足に重症を負った北軍の伍長が運び込まれるが、献身的な看病を受けた伍長は徐々に回復する。だが世間から隔絶した女だけの世界で、欲求不満を募らせる女たちが伍長の魅力の虜になっていく事により、その先には恐怖の惨劇が待っていた、というストーリーだ。また本作は、マッチョで強い男を演じることの多かったイーストウッドが女性に追い込められると言うサスペンス展開から、初監督作「恐怖のメロディ」にも大きな影響を与えた作品だと言われている。2018年には、ソフィア・コッポラ監督によるリメイク作「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」が、コリン・ファレル&ニコール・キッドマン主演で制作されているが、オリジナルに忠実なリメイクだった事もあり印象が薄い。作品の強度という意味では、やはりイーストウッド主演の本作に軍配が上がると思う。
監督:ドン・シーゲル
出演:クリント・イーストウッド、エリザベス・ハートマン、ジョー・アン・ハリス、ダーリーン・カー、ジェラルディン・ペイジ
日本公開:1971年