映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は562本目。タイトルはカーティス・ハンソン監督による、1995年日本公開作品「激流」。特典映像は特になし。第52回ゴールデングローブ賞では、メリル・ストリープが「最優秀主演女優賞」、ケヴィン・ベーコンが「最優秀助演男優賞」にノミネートされた作品だ。「ゆりかごを揺らす手」「L.A.コンフィデンシャル」「8 Mile」と話題作を連発し、カーティス・ハンソン監督の脂が乗り切っていた90年代~2000年代初頭の作品で、メリル・ストリープとケヴィン・ベーコンの名演が光っている。シンプルだがストーリー展開自体も面白く、川下りをする最中に知り合った犯罪者と行動を共にすることになった家族の攻防を描いたアクションサスペンスだ。
作品としては、夫との離婚を考えていたゲイルは息子の誕生日に故郷での川下りを計画するが、サプライズで夫トムも加わり家族での川下りが始まる。一方、スタート地点で知り合いになったウェイドたち一行とも同行することになるが、このウェイドは実は強盗殺人を犯した逃亡犯であり、警察の目をかいくぐって逃走する途中だった。そしてゲイルは家族を守りながらサバイバルする中、ウェイド一味は一家を人質にして危険な急流を下ろうとするというストーリーだ。夫婦の不和から始まり、気の良い旅行者を装ったウェイド達が本性を現わした時の不気味さ、そして激流を前にした犯人との攻防戦と、限定的なシチュエーションでありながらもサスペンスフルな展開が続く佳作だと思う。特に犯人役のケビン・ベーコンが見事で、息子をベースボールキャップで懐柔する序盤から完全に化けの皮がはがれた中盤以降の怪演まで、本作の緊張感を彼が一手にコントロールしていると思う。30年前の作品なので、ややテンポはゆったりだが見応えのある作品だろう。
監督:カーティス・ハンソン
出演:メリル・ストリープ、ケビン・ベーコン、デイビッド・ストラザーン
日本公開:1995年