映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.572:「東京ゴッドファーザーズ」

映画好きが購入したブルーレイの映画情報をブログに残していく記事で、今回は572本目。タイトルは今敏監督による2004年日本公開作品「東京ゴッドファーザーズ」。特典映像は、「東京ゴッドファーザーズ ~台湾で語られた今敏監督のアニメ制作への思い~」「オリジナル・メイキング“Unexpected Tours"」「スペシャル対談“今 敏監督&鴻上尚史氏"」「5.1chサラウンド&アート・ギャラリー」「作画の世界」「アニマックス特別番組『東京ゴッドファーザーズ』」「オリジナル劇場予告編」「US版劇場予告偏」で計120分が収録されている。「台湾で語られた今敏監督のアニメ制作への思い」では、今敏監督が「この『東京ゴッドファーザーズ』は子供向けのアニメーションに比べると、見かけは大変リアルな画面になっています。しかし我々が目指したのはリアルな作品という事ではなく、普段アニメを観ないお客さんにもアニメーションが持ってる楽しさを感じてもらえる事を大事にして作りました。キャラクターたちが表情豊かに動く様は、実写ではできないようなアニメーションの豊かさに溢れていると思います。リアルな背景とくるくると変わり良く動くキャラクターたちの”漫画的な魅力”を楽しんでもらいたいですね。」と言い、「まずホームレス3人が赤ん坊を拾うという設定から、この映画は”家族”が非常に重要なテーマになるだろうなと思い、ギンちゃんが父親でミユキが子供、ハナさんがお母さんにあたるようにしました。そしてもうひとつ私が大事にしていたことは、映画の中で色んなエピソードがたくさん起こりますが、その一つ一つが見方によってはすごく不幸でありながら、逆にハッピーにも見えるという事です。同じ出来事に対して、おかしくも見えるし悲しくも見えるという”矛盾するエピソード”を大切にしてみました。」と応じている。

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また「『東京ゴッドファーザーズ』はタイトルに東京とありますが、なるべく自分たちが見た東京の印象を再現しようとしました。私の作品は東京を舞台にすることが多いのですが、それは東京というのは”日本の縮図”だと考えており、東京を描くことが日本を表現することだと考えているからです。だから必然的に国と土地、人、文化、歴史を描こうとすると、必然的に東京を描写することが多くなると思っています。私にとっては作品を作っている最中が最も面白い過程で、作品が完成すると元アニメーション監督という”無職”になってしまいます。だから作っている最中から、早く次の作品にかかりたいと思いながら作っているんですよ。」と答えている。

 

作品としては、「パーフェクトブルー」「千年女優」に続く今敏監督による長編劇場映画第3作。声の出演は俳優の江守徹、コメディアンの梅垣義明、女優の岡本綾など。監督の遺作となった2006年「パプリカ」と合わせても、もっともファンタジー要素が少なく現実世界に根差したヒューマンドラマの良作に仕上がっている。クリスマスの夜に起こる奇跡を描いているが、ホームレス3人のキャラクター設定が魅力的で、今敏監督作品の中でも特に広い年齢層の老若男女がシンプルに楽しめるアニメーション作品だろう。

 

 

出演:江守徹梅垣義明岡本綾こおろぎさとみ飯塚昭三
日本公開:2004年