映画好きが購入したブルーレイの映画情報をブログに残していく記事で、今回は579本目。タイトルはマイク・ミルズ監督による、2022年日本公開作品「カモン カモン」。特典映像は「メイキング」「日本版予告集(本予告/ショート予告/スポット)「オリジナル予告」で、計13分が収録されている。「メイキング」では、マイク・ミルズ監督が「アドリブの分量をよく聞かれるんだ。脚本は良く練った上で撮影に挑んだが、それに固執するのは嫌いでね。撮影中にも内容は変わるよ。机を叩くのをマネするシーンは撮影初日に生まれたんだ。机を叩くウディ・ノーマンをギャビー・ホフマンがマネてるのを見て、”それをやろう”と提案した。良いシーンになったね。そんな脚本作りが好きなんだ。何か追加できないかと常に観察していると、使えそうなことが見つかるんだよ。ホアキンは”叔父さん”の経験が僕より豊富だから、とても助かった。彼と作った作品という感覚が強いね。彼はただの俳優じゃなくて、製作に対する造詣も深いんだ。親友であり、最高の仕事仲間だよ。面白い作品になると思ったのは似た感覚の者が集まったし、自由な思考を重視する知的なキャストばかりだったからだ。子供たちへのインタビューシーンは僕らだけではなく、作品自体にも影響を与えたし、その恩恵は大きかったと思う。普通の映画とは違うという雰囲気が出たんだ。リアルな日常と演技が上手く混ざり合い、独特な雰囲気を醸し出してくれたよ。」と語っている。
また子役のウディ・ノーマンは「ホアキンからは多くを学んだんだ。演技や脚本の捉え方についてね。常にやる気を与えてくれるし、本当に面白い人なんだよ。カットがかかると急に歌いだしたりね。脚本に縛られず、自分が考えた通りに演じるのが楽しい。演技は自己表現だから。」と答えている。
作品としては、「サムサッカー」「人生はビギナーズ」「20センチュリー・ウーマン」などヒューマンドラマの名手マイク・ミルズによる白黒映画。ラジオ局に勤めるジャーナリストのジョニーと、妹ヴィヴの息子である甥のジェシーとの旅と関係の変化を描いていく。主演は「ジョーカー」シリーズ、「ボーはおそれている」のホアキン・フェニックス、「フィールド・オブ・ドリームス」「顔のない天使」のギャビー・ホフマン、そして本作がデビュー作となる子役ウディ・ノーマンなど。本作はとにかく子役であるウディ・ノーマンの演技が凄まじく、彼の存在感はホアキン・フェニックスと肩を並べている。極めてミニマムな作品だがまったく退屈しないうえに、”子供という存在のやっかいさと理解不能さ”と、”人と人”が持つポジティブな側面を描いた良作だったと思う。
監督:マイク・ミルズ
出演:ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン、モリー・ウェブスター
日本公開:2022年