映画好きが購入したブルーレイの映画情報をブログに残していく記事で、今回は587本目。タイトルはキム・ボラ監督による、2020年日本公開「はちどり」。特典映像は、「キム・ボラ監督短編『リコーダーのテスト』」と「日本版予告編」。また20Pのブックレットが封入されている。「リコーダーのテスト」はキム・ボラ監督による2011年の29分弱の短編デビュー作で、「はちどり」では女子中学生だったウニが9歳のころを描く前日譚だ。前日譚だけあって韓国社会の家父長制や貧富の格差など、テーマはほとんど「はちどり」と同じものを描いていると感じる。ちなみに父親役のチョン・インギだけは「はちどり」でも父親を演じているが、他はキャストは一新されている。リコーダーのテストを受ける為に、新しいリコーダーが欲しいと親に言えない少女の小さな話だが、わずか29分の中に様々な人間模様を描いてしまうキム・ボラ監督の手腕が光る秀作だ。


一方で本作「はちどり」は、女性監督であるキム・ボラの長編デビュー作で、「第69回ベルリン国際映画祭」や「第23回釜山国際映画祭」など、全世界で50個の賞を獲得し絶賛されたヒューマンドラマだ。上映時間は138分だがセリフによるだらだらした説明を極力排しており、むしろ思い切ってセリフを省略する事によって観客の想像力を掻き立ててきたりと、映画的な演出が光る作品だろう。淡々と女子中学生であるウニの日常を描いていくが、1994年の韓国においての女性の立場が浮き彫りになっていく内容で、特に塾の講師であるヨンジというメンターとの出会いによって、成長していく姿を演じたパク・ジフが素晴らしい。本作以降、まだ新作の話は聞こえてこないが、早くキム・ボラ監督の次回作が観たいと思わされる韓国青春映画の快作だ。
監督:キム・ボラ
出演:パク・ジフ、キム・セビョク、イ・スンヨン、チョン・インギ、キル・へヨン
日本公開:2020年