映画好きが購入したブルーレイの映画情報をブログに残していく記事で、今回は593本目。タイトルはジェームズ・キャメロン監督による、1990年日本公開「アビス」。特典映像は「水の中へ:ジェームズ・キャメロン監督と『アビス』」「偉大なる開拓者たち」「アンダー・プレッシャー:『アビス/完全版』のできるまで」で計117分が収録されている。「水の中へ:ジェームズ・キャメロン監督と『アビス』」では、キャメロン監督が「『未知との遭遇』や『2001年宇宙の旅』のような、エイリアンとの初遭遇”ファーストコンタクト”の物語を撮りたかったんだ。深海には人類より先にエイリアンが到達していてもおかしくない。完全版の冒頭にニーチェの”深淵をのぞくと、深淵はあなたを見返す”を引用したのは、本作のテーマが深海に潜った時の”人間の心理状態”だからだ。自身の限界と攻撃性に向き合うことになるんだよ。もともと本作が描こうとしたテーマは、『地球が静止する日』のようなものだった。モラル的にも技術的にも優れた知的存在が神のように人類を審判するというもので、「滅亡させるしかない」とされた人類にも、他者や愛のために自分を犠牲にした1人の誠実な人間がいることによって、エイリアンは人類を滅亡させるのを止めるんだ。」と語っている。


また「大作を撮る時は初志貫徹が大事になる。いい映画を撮るには最初のコンセプトからぶれちゃいけないんだ。私が書いたのは現在においても野心的といえる脚本だった。そこで同じ深海を舞台とした、『ザ・ディープ』のアル・ギディングスに撮影を頼んだんだ。海にセットは造れないから水槽が必要だったが、十分な深さの水槽がなかった。だからといって一から造る予算もないから、建設途中で放棄された原子力発電所を水槽として使ったんだ。『ターミネーター』と『エイリアン2』の撮影では、雑多な手法のうち上手くいったものもあったが、こんなビッグサイズの作品ではそれらも全て通じなくなる。建築家や構造エンジニア、ろ過や水を温める専門家たちを招いたよ。さらに水中は真っ暗である必要があり、水深300メートルが舞台なので水面が見えてはいけないんだが、若いスタッフが方法をひらめいて、黒のポリエステルのビーズを20トンも水面に浮かべて撮影したりしたよ。また照明やカメラを水中撮影用にデザインし直し、ヘルメットも俳優たちにとって快適で安全なものを開発した。彼らの表情を撮れるものにね。『アビス』のテーマは人類にとってのテクノロジーの功罪だ。映画の舞台はテクノロジーに溢れていて、私もテクノロジーやロボットや潜水艇が大好きだ。だが冒頭に登場するのは原子力潜水艦で124個の核弾頭を搭載していて、そんな兵器が今も当時もこの世界にはあるんだ。テクノロジーを愛しているが、人類の危機は見過ごせない。このままだと人類はこの地上から消えかねないんだ。現在のCGで『アビス』を撮り直そうとすると、最後の20分間は昔の5倍は良い仕上がりになるだろう。でもそれ以外のシーンは、あれ以上に良い映像は撮れないよ。」と答えている。
「ターミネーター」「アバター」「タイタニック」など世界中で大ヒットした作品を手掛けた、ジェームズ・キャメロン監督の1990年作品。1991年に公開された「ターミネーター2」のT-1000は、本作における”液状のキャラクター”のCGIをILMが発展させて作っており、大きな影響を与えた作品だ。また「アビス」は140分の公開版と171分の完全版が存在しているが、今回のブルーレイパッケージはそのどちらも収録されている。ジェームズ・キャメロン作品の中でも、「トゥルーライズ」と並んでブルーレイ化されていない有名作品だったので、ファン待望のパッケージ化だろう。
監督:ジェームズ・キャメロン
出演:エド・ハリス、メアリー・エリザベス・マストラントニオ、マイケル・ビーン、レオ・バーメスター
日本公開:1990年