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エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.598:「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」

映画好きが購入したブルーレイの映画情報をブログに残していく記事で、今回は598本目。タイトルはパブロ・ラライン監督による、2017年日本公開「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」。特典映像は「エッセンス・オブ・ジャッキー」「インタビュー」「日本版劇場予告編」で、計29分が収録されている。「インタビュー」では、主演のナタリー・ポートマンが「脚本にとても興味をそそられたわ。ジャッキーの生涯を辿る物語ではなく、短い間の出来事が濃密に描かれている。あの時期の彼女は大きな重圧を抱えて周囲の人とのしがらみもあったけど、それらを通して彼女の別の顔が見えるの。パブロ・ララインが監督すると知り、型どおりのイメージではないジャッキーになると思ったからワクワクした。外国人の彼には先入観がないし、アメリカ人のように彼女を崇拝してないから、人間性にスポットを当てられるものね。誰もが知るファーストレディを演じるためには、観客が違和感を抱かないように話し方や所作、表情を練習する必要があったわ。悲劇的な事件で家族を亡くし、世界的規模の葬儀を行ったという経験をした人は歴史上でも珍しい。だから彼女の心に近づく作業は難しかったわ。ジャッキーに対するイメージを観客に押し付けないのが、この映画の美点よ。さまざまな側面を持ち、とても複雑で謎の多い彼女をそのまま映しているから、自分に重なる部分を誰もが感じるはずね。」と語っている。

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またパブロ・ラライン監督は「僕は自分の母国に強い愛着があるんだ。でも同様の愛国心アメリカに対しては持っていない。僕にとっては外国だからね。だからこの物語についてまず理解したいと思ったし、脚本家にはどんな人にも共感できるように書いてくれと頼んだんだ。アメリカ人だけが理解できるんじゃダメで、例えば”キャメロット”の話は脚本を読んで調べるまで僕は知らなかった。誰もが知っているというのは、ただの思い込みなんだ。キャメロットとは何か全く知らない人でも理解できるように、きちんと伝える必要があるんだよ。ナタリー・ポートマンは演技に不可欠なものを持っている役者だと思う。それはつまり神秘性だよ。そしてジャッキーにも、同じように神秘性がある。20世紀の著名人の中で最も謎めいている人物だと思うよ。以前は大統領夫人としての知識しかなかったけど、視点を変えて本当のジャッキーに目を向けてみると、とても洗練された賢い女性だと分かったんだ。」と答えている。

 

作品としては、「スペンサー ダイアナの決意」のパブロ・ラライン監督による、アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディのファーストレディであるジャクリーン・ケネディ(愛称ジャッキー)を描いた伝記ドラマ映画。「レクイエム・フォー・ドリーム」「ブラック・スワン」などのダーレン・アロノフスキーがプロデュースしている。ケネディ暗殺事件の一週間後にジャッキーの元に訪れたジャーナリストとの会話から映画は始まり、事件のあったダラス到着から事件直後、そして葬送行進までを回想する構成になっており、ジャクリーン・ケネディが乗り移ったような演技を見せるナタリー・ポートマンが最大の見どころだろう。第73回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門で上映され、同映画祭の最高賞「金獅子賞」を争ったが、最終的に「脚本賞」を受賞している。またミカ・レヴィが手掛けた音楽が特に素晴らしく、本作のクオリティを確実に上げていると思う。

 

 

監督:パブロ・ラライン
出演:ナタリー・ポートマンピーター・サースガードグレタ・ガーウィグジョン・ハート
日本公開:2017年