映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.603:「グレート・ウォリアーズ/欲望の剣」

映画好きが購入したブルーレイの映画情報をブログに残していく記事で、今回は603本目。タイトルはポール・ヴァーホーヴェン監督による、1985年アメリカ公開(日本未公開)「グレート・ウォリアーズ/欲望の剣」。特典映像は特に無し。氷の微笑」「ロボコップ」「トータル・リコール」などで知られる鬼才ポール・ヴァーホーヴェン監督が、祖国オランダからアメリカに渡って初めて撮った初期作品で、日本では劇場未公開でビデオスルーとなっている。出演は「ナイトホークス」「ブレードランナー」のルトガー・ハウアー、「バックドラフト」「ヘイトフル・エイト」のジェニファー・ジェイソン・リー、「戦場のメリークリスマス」のジャック・トンプソン、「48時間」シリーズのブライオン・ジェームズなど。撮影は「スピード」で監督デビューする以前のヤン・デ・ボンが担当している。音楽はベイジル・ポールドゥリス、共同脚本に近作『ブラックブック』でもタッグを組んだジェラルド・ソエトマンが参加している。

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作品としては、ポール・ヴァーホーヴェン監督の持ち味であるヴァイオレンスとエロスが炸裂した娯楽大作であり、腐乱死体やレイプシーン、性器丸出しからペストの感染などハリウッドでは描かれないシーンが頻発する怪作だ。ルトガー・ハウアー演じるマーチンが率いる傭兵部隊が、雇い主のアーノルフィニに裏切られたことにより、アーノルフィニの息子スティーブンの許嫁である処女のアグネスを誘拐して輪姦するが、アグネスもしたたかにマーチンの元で生き抜く。だがスティーブンはアグネスを取り返すべく全力で追ってくるのだったという内容で、ジェニファー・ジェイソン・リー演じるヒロインの描き方も含めて、無法者からお姫様を救い出すという王道ストーリーの枠には収まらない作品だと思う。氷の微笑」「エル ELLE」「ベヨネッタ」など、強く生き抜く女性たちを描いてきたポール・ヴァーホーヴェンの原点ともいえる映画であり、日本劇場未公開ながらもルトガー・ハウアーの演技も含めて魅力的な一本だろう。

 

 

監督:ポール・ヴァーホーヴェン
出演:ルトガー・ハウアージェニファー・ジェイソン・リーブライオン・ジェームズ、ジャック・トンプソン
アメリカ公開:1985年(日本未公開)