映画を観て音楽を聴いて、感想を書くブログ

会社員バンドマンが綴る、映画と音楽のブログです。過去の名作から、新作まで綴っていこうと思います。音楽についても書くかもしれません。

「XMEN アポカリプス」を観た

X-MEN アポカリプス」を観た。

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監督:ブライアン・シンガー

日本公開:2016年

 

X-MENシリーズの最新作であり、「X-MEN ファースト・ジェネレーション」から続く新シリーズの完結編である。思えばこのシリーズも一作目「X-MEN」は2000年公開なので、スピンオフ作品を挟みながらも、ずいぶんと長寿シリーズとなったものである。元々は、言わずと知れたマーベルコミックの人気作品を映画化したシリーズであり、ヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンを筆頭に、人気キャラクターを多数輩出している。ちなみに僕は一応シリーズ作は全て観ているが、それほど熱狂的ファンとは言い難い位の熱量である事を記しておきたい。

 

感想

さて、今回は結論から言ってしまうと「X-MEN アポカリプス」は、今までのシリーズのファンは観て損は無い作品だ。各キャラクターの特技を活かした見せ場はしっかり配置されているし、ヒーローもの特有の「みんなの力を合わせて、巨大な敵を倒す」という燃える(萌える)展開もあり、作り手の「解ってる感」は半端ない。

 

特にクイックシルバーの登場シーンは、今回総じて面白い。「メチャクチャ早く動ける」という設定を映像的に上手く見せているし、ともすればシリアスになり過ぎる作品のムードが彼のお陰でかなり緩和出来ている。

 

また、新キャラ悪役の「サイロック」が最高である。セクシーでカッコ良いという文句無しのキャラクターで、演じるオリヴィア・マンという女優の気の強そうな雰囲気も相まって、とても悪役がハマっている。

 

だが、個人的には名作「ファースト・ジェネレーション」は超えていないかなというのが正直な感想である。「ファースト・ジェネレーション」は、「キックアス」のマシュー・ヴォーンが監督していたが、X-MENのメインテーマである「ミュータントというマイノリティが感じる悲哀と葛藤」をしっかり描いており、マグニートーとチャールズの考え方のどちらにも共感出来る故に、対立する二人に感情移入出来るし、史実であるキューバ危機のアメリカと旧ソビエトの攻防と、人類とミュータントという二つの種族の対比を絡める事により、強烈に先の展開が気になるという優れたストーリーになっていた。

 

更にミスティークの外見に対するコンプレックスの描き込みなどからも、他の人と違う容姿や能力を持ってしまう事で、この世の中ではどんな辛い目にあい、迫害される立場の人はどういう感情を持つのかを、とても映画的に、余りセリフに頼らないスタイリッシュな演出で描けていたと思う。

 

それに比べると、前作「フューチャー&パスト」と今作「アポカリプス」のブライアン・シンガー監督(初代X-MEN1と2も監督している)の演出は、ちょっと野暮ったい。X-MENならではのテーマも薄味だし、特に今作の前半はテンポが悪くて、退屈なシーンも多い。アクションシーンも良くも悪くもアニメ的で大味過ぎるきらいがある。少しネタバレになるが、ラストも最終的に強大な力と回復力を持つ、神の様な存在の悪役に「何故勝てたのか?」の理屈がイマイチよく分からない。あのキャラクターが力を発揮したのは解るが、それだけでは流石にちょっと説明不足かなと感じてしまった。もちろんキャラクター勢揃いの為、気分的には盛り上がりはするのだが。

 

とにかく今作は、完全に今までのX-MENシリーズのファン向けに作られているので、まずは「ファースト・ジェネレーション」と「フューチャー&パスト」の二作は必須、出来れば「X-MEN1&2」「X-MEN ファイナルディシジョン」も観ておくと、キャラクターへの理解が深まって良いだろう。一見さんお断りの敷居の高い作品だが、過去作を観ていれば完結編という事もあるし、ちゃんと一定の満足感は得られる映画になっているとは思う。一応、ウルヴァリンも出ますしね。