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エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.479:「ノック・ノック」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は479本目。タイトルはイーライ・ロス監督による、2016年日本公開作品「ノック・ノック」。特典映像としては、「キャストインタビュー(キアヌ・リーブスロレンツァ・イッツォ、アナ・デ・アルマス)」「メイキング」「未収録映像(イーライ・ロス監督のコメント付き)」「予告編」で計37分が収録されている。「メイキング」では、イーライ・ロス監督が「本作はパンドラの箱を開けた男の物語だ。過去に『メイク・アップ』という英国で封切られたが米国ではパッとせず、他の国では公開すらされていない映画があったんだが、僕は気に入ったんだ。70年代の失われた芸術作品だと思うよ。エイドリアン・ライン監督は80年代に『危険な情事』で判断を誤った主人公を描いたが、本作では女の策略で男が判断を誤り、人生を台無しにしていくんだ。『グリーン・インフェルノ』など僕の過去作品は暴力的だが、今回は転機となるような映画が撮りたかった。そこで肉体の代わりに彫刻を切断して、同様の緊張感を保ったんだよ。本作では女の子たちの個性を際立たせたね。」と言い、「キアヌは繊細で面白い演技をするが、これまでは世界を救い出すような役が多かった。ネオであり、ジョン・ウィックだね。でも本作では女の子の獲物となり、もてあそばれる。だが彼には操られている自覚がないんだ。本作で描かれるセックスは偏執的で汚れた行いであり、家族や自分を裏切る背徳行為だ。だが本来の彼は未成年を犯す悪者じゃないんだ。観客にも主人公エヴァンと一緒に判断してほしいね。家は妻の作品に囲まれ、彼女が家庭の中心だ。父の日には妻の本が届く。彼は妻に協力的だが、家族は彼に仕事があっても置いて出かけてしまうんだ。本作では全員に非があるんだよ。」と語っている。

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キアヌ・リーブスは「僕が演じたエヴァンは自分の築いた世界で、ぬくぬくと暮らしている。二人の娘の誘惑に負けて、現実の鏡を見せつけられるが、その鏡は観客にも向けられているんだ。その下には闇があるんだよ。それは飼い慣らされていない野生の感覚なんだ。女性二人は過去にも”ゲーム”をしており、被害者の男たちは全員誘惑に勝てなかったんだ。彼女たちを演じたロレンツァやアナと共演できて光栄だった。創意に富み、想像力を掻き立てられたよ。」と答えている。

 

作品としては、「ホステル」「グリーン・インフェルノ」「サンクスギビング」などのイーライ・ロス監督によるサイコスリラー。ピーター・S・トレイナー監督による1977年「メイクアップ 狂気の3P」のリメイクで、理想的な家庭を築いていた父親が、突如現れた2人の美女の誘惑によって破滅へと突き落とされる作品だ。出演はキアヌ・リーブスイーライ・ロスの実際の妻であるロレンツァ・イッツォ、そして「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」で注目されたアナ・デ・アルマスなど。とにかくキアヌ・リーヴスの演技を楽しむべき映画で、好き嫌いはかなり分かれる作品だと思う。イーライ・ロスフィルモグラフィーの中でもやや異質な一本だろう。

 

 

監督:イーライ・ロス
出演:キアヌ・リーブスロレンツァ・イッツォ、アナ・デ・アルマス
日本公開:2016年