映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.480:「赤ちゃん泥棒」映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は480本目。タイトルはジョエル・コーエン監督による、1988年日本公開作品「赤ちゃん泥棒」。特典映像としては「予告編」のみ。「ビッグ・リボウスキ」「オー・ブラザー!」「ノーカントリー」など、90年代以降アメリカ映画界でも屈指の評価を得ているジョエル・コーエン&イーサン・コーエンによる初期のコメディ映画。処女作の「ブラッド・シンプル」(日本公開1987年)が、インディペンデントの低予算映画ながら高い評価を得た事で、ハリウッド大手スタジオの20世紀フォックスが資金援助し製作された、コーエン兄弟の長編二作目だ。この後も彼らは「ミラーズ・クロッシング」「バートン・フィンク」と堅実なキャリアを積むが、遂に96年の「ファーゴ」ではアカデミー賞では作品賞を含む7部門にノミネートされ、これが世界的なブレイクスルー作品となった。本作「赤ちゃん泥棒」は、「ファーゴ」以前ではコーエン兄弟最大のヒット作でもある。
作品としては、元強盗の夫と元警察官の妻が子宝に恵まれず悩んだ末に、ある大富豪の家に誕生した5つ子のうちの1人を奪って逃走し赤ちゃん泥棒は成功したものの、夫の刑務所仲間や子供をさらわれた大富豪が雇った賞金稼ぎが、次々と二人の前に現れて大惨事となっていく、というストーリーでいわゆる”ドタバタコメディ”の範疇にあたる作品だろう。本作はキャスト陣が非常に豪華で、「ザ・ロック」「フェイス/オフ」のニコラス・ケイジ、「ピアノ・レッスン」「ザ・ファーム 法律事務所」のホリー・ハンター、コーエン兄弟監督作品の常連でもあるジョン・グッドマン、「スリー・ビルボード」「ノマドランド」のフランシス・マクドーマンド、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のウィリアム・フォーサイスなどが出演している。コーエン兄弟の初期作らしい全体的にユルい脚本の作品だが、憎めないキャラクターたちが魅力的で、たまに観返したくなる一本だ。
監督:ジョエル・コーエン
出演:ニコラス・ケイジ、ホリー・ハンター、ジョン・グッドマン、ウィリアム・フォーサイス、フランシス・マクドーマンド
日本公開:1988年