映画を観て音楽を聴いて、感想を書くブログ

会社員バンドマンが綴る、映画と音楽のブログです。過去の名作から、新作まで綴っていこうと思います。音楽についても書くかもしれません。

「アジョシ」を観た

「アジョシ」を観た。

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監督:イ・ジョンボム

出演:ウォンビン、キム・セロン

日本公開:2011年

 

忙しくてなかなか映画館に行けていない。という訳で、最近は買い溜めていたブルーレイを深夜に観る事で、映画欲求を発散しているのだが、今回は2010年度の韓国興行収入1位を記録した「アジョシ」を観た。公開当時は、それほど興味が湧かずスルーしていたが、これはなかなかの拾い物であった。

 

あらすじ

世の中に背を向け、細々と質屋を切り盛りし、寂しく暮らしているテシク。訪ねてくる人間は、質屋に物を預けにくる人々と、隣りに住む少女ソミだけだ。世の中から捨てられたソミと共に過ごす時間が多くなり、テシクとソミは、互いに心を開いて友だちになっていく。

 

そんなある日、ソミの母が麻薬絡みの犯罪事件にかかわり、ソミが一緒に拉致されてしまう。ソミの行方を追うテシク。たった一人の友だちのソミを危険から守るため、犯罪組織を追い始める。しかし、ソミの行方は相変らず不明で、警察がテシクを追いかけ始め、テシクは、犯罪組織と警察の両方の追撃を受けることになる。そしてその過程で、 ベールに包まれていたテシクの秘密の過去が現れ始める。

 

感想

ストーリーは、ド定番の設定だ。元特殊部隊の殺人マシーンが、自分の大事な存在を救うために、警察や犯罪組織に追われながらも悪のアジトに乗り込み、その戦闘能力を発揮して敵を壊滅させ、遂に救い出すという流れだ。リーアム・ニーソン主演の「96時間」という作品があったが、あれに近いと思う。娘を拐われたパパの常識はずれの強さを堪能する、アクション映画の快作であった。

 

では、この映画の見どころは?と言えば、はっきりしている。主演のウォンビンである。これはもうとてつもないカッコ良さで、男の僕が観ても惚れ惚れしてしまう。「母なる証明」という、ポン・ジュノ監督の大傑作にも障害のある息子役で出演していたが、元々、ウォンビンはちょっと繊細で優しさを感じさせる顔立ちをしている。だが、今作の彼はそこに男の孤独や哀しみといったオーラが足されており、ハッキリ言って恐ろしくセクシーだ。

 

ブラックスーツに身を包んだシャープな体躯と、アクション時の身のこなしなども完璧で、僕は同じアジア人として羨望の眼差しで画面を見続けていた。公開当時、この映画はデートで観てはいけないと言われていたそうだが、それも今なら頷ける。映画が終わった後に、このウォンビンと比べられても困るだろう。終盤のシーンで敵のアジトに向かう前に、鏡の前で半裸で自らの髪を切るシーンがあるが、もはや犯罪的なセクシーショットであり、ウォンビンファンへのサービスシーンだ。

 

という事で、アイドル映画として大変に優れた作品なのは間違いないが、実はアクション映画としても素晴らしい。ウォンビンがしっかりアクションが出来る俳優であるからだろうが、カットを細かく割ったりせずに一連のアクションシークエンスを「流れ」で観せてくれる。敵の用心棒(こいつもイケメン)との一騎打ちが本作の白眉だが、このシーンの撮影にどれだけ時間をかけたのだろうという位、スピード感のある緊迫したアクションシーンになっていた。

 

最後に悪役にも触れたいが、アクション映画における悪役が魅力的であればあるほど、倒した時観客は強くカタルシスを感じる為、非常に重要なのだが、今作の彼らはその点完璧であったと思う。まさに人間のクズといった諸行で、これならウォンビンにズタズタにされても仕方ないと思えるバランスをしっかり保っていた。ウォンビンとは対極の顔の泥臭さも含めて魅力的な悪役だったと思う。

 

「アジョシ」とは韓国語でおじさんという意味らしいが、タイトルの気の抜けた感じとは裏腹に、かなりハードでタイトなアクション映画として本作はオススメだし、何より本作はウォンビンの魅力が半端ないので、女性が観ても楽しめると思う。それにしても韓国映画は本当にレベルが高い。そう言えば韓国スリラーの名作「殺人の告白」が、「22年目の告白」というタイトルに変わり、藤原竜也主演でリメイクされるようだ。こちらも少し気になっている。