映画を観て音楽を聴いて、感想を書くブログ

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「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」を観た(完全ネタバレ&解説アリ)

ワイルド・スピードスーパーコンボ」を観た。

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監督:デヴィッド・リーチ

出演:ドウェイン・ジョンソンジェイソン・ステイサムイドリス・エルバ

日本公開:2019年


シリーズ開始から18年、「ワイルド・スピード」初のスピンオフ作品にして9作目の「スーパーコンボ」が公開となった。シリーズではルーク・ホブスとデッカード・ショウという役名でレギュラー入りしている、ドウェイン・ジョンソンジェイソン・ステイサムが、今回ダブル主演を果たしている。監督は「アトミック・ブロンド」や「デッドプール2」で今や一躍名監督となったデヴィッド・リーチ。個人的には「ワイルド・スピード」の新作というより、デヴィッド・リーチ監督の最新作という期待で劇場に足を運んだ。今回もネタバレありで。

 

あらすじ

元MI6エージェントのデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)と元FBI特別捜査官ルーク・ホブス(ドウェイン・ジョンソン)は、政府から協力要請を受ける。内容はデッカードの妹で、肉体を改造したテロ組織のリーダー・ブリクストン(イドリス・エルバ)に襲われて行方不明になっているMI6エージェントのハッティ(ヴァネッサ・カービー)を保護するというものだった。ハッティが取り戻した人類の半分を死滅させるウイルス兵器の回収を最優先するため、二人は渋々タッグを組むことにする。

 

感想&解説

本作の原題は「Hobbs & Shaw」というだけあって、完全にルーク・ホブスとデッカード・ショウという二人のキャラクターにフォーカスした作品だ。シリーズの顔であるヴィン・ディーゼルミシェル・ロドリゲスも出てこない為、やはりワイルド・スピード感はかなり薄いと思う。特に今作、シナリオ的にはワイルド・スピードである必然性はゼロに近いので、過去にまったくシリーズを観たことがない人でもそれほど混乱なく、最後まで楽しめる。逆を返せば、シリーズのコアなファンには物足りないスピンオフ作品だと言えるだろう。


基本的にはお互いが反目しあっている設定の二人が、手を組みながら課題をクリアしていくという、古くは「リーサル・ウェポン」や「マイアミ・バイス」といった「バディもの」ジャンルの系譜だと思うが、全編アクションシーンだらけなので、それほど飽きずに楽しめる。このあたりは流石にデヴィッド・リーチ監督の面目躍如といった感じだが、正直そのアクションシーンも既視感が強いのは否めないだろう。過去の映画で観たことあるようなシーンの連続で、唯一の見せ場はラストのヘリと車の「述繋ぎアクション」くらいだろうか。だが、よく考えれば物理法則を無視した馬鹿馬鹿しいシーンの為、どうしてもVFXで処理している事がバレバレで興奮度は低い。


シナリオ的にも、いがみ合う二人が延々と繰り出すのはステレオタイプなコメディシーンの連続で、下ネタ多めだがそれほどの爆笑シーンもないし、いわゆるドラマパートも「家族の絆」をテーマに描き出そうとしているが、あくまでアクションシーンの添え物程度で淡白なものである。上映時間も136分もアクション映画にしては長めで、もう少しタイトに出来ただろうと思うシーンも多い。昨年「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」という、稀代のアクション映画の傑作を観てしまった身には、ちょっとやそっとのアクションでは驚けなくなってしまったという意味で、トム・クルーズの罪は重いと感じる。


全米公開が2020年4月10日で、おそらく来年中には日本でも公開になるはずだったシリーズ9作目だが、撮影中にスタントマンが1人負傷したらしく制作が現在休止しているそうだ。ナンバリングタイトルだけに、いろいろな意味で万全を期した作品を期待したい。ちなみにデヴィッド・リーチ監督のデッドプール繋がりで、ライアン・レイノルズカメオ出演するシーンがあるのだが、そこは楽しいシーンになっているので、エンドクレジットまで席を立たない方がいい。「ワイルド・スピードスーパーコンボ」は、この夏に涼しい劇場で時間潰しに観る分には楽しい作品だが、デヴィッド・リーチ監督の歴代作品では、個人的には残念ながら最も期待ハズレの一作であった。