映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は141本目。タイトルは、ペドロ・アルモドバル監督による作品「私が、生きる肌」。特典映像としては、「アルモドバルとの夕べ...南カリフォルニア大でのトークショー」「予告編集(日本版+オリジナル版)」「マリサ・パレデス 2011年来日時インタビュー」「メイキング映像集」と、約108分が収録されている。「マリサ・パレデス 2011年来日時インタビュー」では、「オール・アバウト・マイ・マザー」などにも出演しているマリサ・パレデスが、ペドロ・アルモドバル監督との撮影について語っており、お互いが仕事に求めている基準が理解し合えているため、監督の高い要求レベルにも難なく応えられると言っている。80年代のアルモドバル監督の作風からはかなり演出法が変化してきており、さらに本作の脚本を書くのに5年以上も費やし変更を加えた監督から、原作は読まなくても良いという指示が出たなどのエピソードは面白かった。
作品としては、英国アカデミー賞外国語映画賞受賞ほか、カンヌ国際映画祭やゴールデングローブ賞などでもノミネートされ各国で評価された、ペドロ・アルモドバル監督のミステリー。主演アントニオ・バンデラスとの1989年「アタメ」以来、22年ぶりのコラボレーション作品であることも大きな話題だった。天才的な形成外科医ロベルは人工皮膚の開発に没頭しており、かつて非業の死を遂げた最愛の妻を想いながら、監禁した“ある人物"を実験台にして亡き妻そっくりの美女を創り上げようとしていたというストーリーだが、語り口と構成が上手いため先の読めない展開に翻弄されるし、マッドサイエンティストを演じたアントニオ・バンデラスの怪演も見事で、引き込まれた。多作なペドロ・アルモドバル監督だが、いわゆるサスペンス的な面白さでは本作がナンバーワンだと思うので、できれば前知識無しでの鑑賞がオススメである。
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:アントニオ・バンデラス、エレナ・アナヤ、マリサ・パレデス
日本公開:2012年