映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.214:「シン・レッド・ライン」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は214本目。タイトルは、テレンス・マリック監督による1999年公開作品「シン・レッド・ライン」。特典映像としては、「俳優の視点」「編集について」「音楽について」「未公開シーン」「ガダルカナル・ニュース映像」「オリジナル予告編」で、計109分が収録されている。「俳優の視点」では、ショーン・ペンが「テレンス・マリックの大ファンだから監督作に出演したくて、連絡したんだ。ただ最初は本作が儲かる作品になると誰も思わなかったので、脚本の段階で製作予算の目途が立たず停滞した。撮影がいつ始まるのか分からないのが問題で、他の仕事をしながら待ったよ。」や「他の映画監督にテレンス・マリックとの仕事は、”列車に飛び乗るようなもので、行先を訪ねて教えられてもその答えは役に立たない。行き先知らずだよ。”と言われた。」などとインタビューに応えている。また「編集について」では編集担当のレスリー・ジョーンズが、「監督は脚本どおりに撮る気がなくて、送られてくる映像からそれが分かった。これは監督と話し合わなきゃいけないと思ったけど、彼はストーリーより雰囲気や音楽について話たがったの。特に音楽を重視してたわ。」と語り、なんと粗編集の素材を最初から最後まで観たのは一回だけだったと驚きのエピソードを披露している。また「監督はとにかく熟考に時間を費やす。求めるものが最初から分かってはおらず、制作が進んだところで見出すんだ。」と、テレンス・マリックの制作手法について語っているのが面白い。

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作品としては、1962年に出版された同名小説を監督が脚色化した戦争映画。1942年8月にあったガダルカナル島の戦いを舞台に、島を占拠していた日本軍との太平洋戦争下の激戦を描く。第49回ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作品で、第71回アカデミー賞でも作品賞/監督賞/脚色賞などを含めて、7部門でノミネートされている。監督は「ツリー・オブ・ライフ」「ソング・トゥ・ソング」などのテレンス・マリック。本作「シン・レッド・ライン」は、1978年「天国の日々」以来20年ぶりの監督作として話題になった。出演はショーン・ペンエイドリアン・ブロディウディ・ハレルソンジョン・キューザックジョージ・クルーニーとスター俳優が大挙して集結している。内容として極めて内省的な作品で、まるで監督の心の内を表現したようなナレーションやスピリチュアルな映像で戦争を描いていく。公開時期が近いので、1998年のスティーヴン・スピルバーグ監督「プライベート・ライアン」と比較されることが多いが、本作は哲学的な要素がかなり強いので、映像自体のダイナミズムで魅せる「プライベート・ライアン」とは、真逆のコンセプトの作品だと思う。

 

監督:テレンス・マリック

出演:ショーン・ペンエイドリアン・ブロディジム・カヴィーゼルウディ・ハレルソンジョン・キューザックジョージ・クルーニー

日本公開:1999年