映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイレビュー&感想Vol.321:「マーシャル・ロー」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は321本目。タイトルはエドワード・ズウィック監督による、2000年日本公開作品「マーシャル・ロー」。特典映像としては、「戒厳令の街」「安全の代償」「メイキング・オブ・『マーシャル・ロー』」「オリジナル劇場予告編」で、計44分が収録されている。特典映像では、プロデューサーのリンダ・オブストが「私は元々新聞記事を書いていたから、映画のアイデアの多くは新聞から見つけるの。この作品もそうだった。ニューヨーク・タイムズの”世界貿易センター爆破事件”をテーマにした連載記事を参考に、構想を練ったわ。デンゼル・ワシントン演じる主人公のハバードは、”人権”を重んじる。だから容疑者の拷問に抗議する場面は、本作の核ね。危機的状況で見せる彼の姿は、理想のリーダー像そのものよ。ハバードが本作で見せるような統率力を国民は望んでいるの。この映画は”自由の大切さ”を教える作品なのよ。」と言い、エドワード・ズウィック監督は、「脚本の初稿はアメリカに核兵器が持ち込まれるという内容だったんだが、事件そのものよりも、テロ後のアメリカの反応を描く方が面白いと思ったんだ。私は黒人の捜査官をテロ対策の責任者にして、内部抗争に対処し職務を全うしようとする主人公を描いた。デンゼルは正真正銘のスター俳優だね。僕は彼の大ファンなんだ。また将軍役には権力の象徴として力強さが必要だったけど、ブルース・ウィリスが完璧に演じてくれたよ。人と車に囲まれたニューヨークでの撮影は、まさに挑戦だった。実際にタイムズ・スクエアやブルックリン橋を封鎖して撮影を行ったんだが、9・11後の今となっては、こういう撮影は不可能だろうね。私にとってNYは登場人物の一人だった。スタッフのおかげでリアルで素晴らしいシーンが撮れたよ。」と語っている。

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作品としては、「レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い」「ラスト サムライ」「ブラッド・ダイヤモンド」のエドワード・ズウィックが監督したアクション・サスペンスで、テロリストと国家の対決をテーマにしている。タイトルの「マーシャル・ロー」とは「戒厳令」を意味しており、ニューヨークで大規模なテロが多発した時、アメリカのFBIや軍隊、そして国家はそれにどう対処するのか?を描く映画となっている。2001年アメリ同時多発テロよりも前に作られた作品だが、街中でアラブ人が次々と逮捕され検挙されていく姿には、リアルな既視感があり恐ろしい。出演はデンゼル・ワシントンブルース・ウィリスの他、「アメリカン・ビューティー」における妻キャロリン役が印象的なアネット・ベニングなど。スケール感の大きな作品で、ロジャー・ディーキンスが撮影した映像は迫力があって、バスの爆破シーンなどは目を見張る演出クオリティだ。FBIとCIAの確執や人種差別などを描くポリティカルドラマの側面もあるため、テーマ自体は重いのだが、エンターテイメント映画としての娯楽性も保っており、あまり世評は高くないようだがもっと評価されても良い作品だと感じる。

 

 


監督:エドワード・ズウィック

出演:デンゼル・ワシントンアネット・ベニングブルース・ウィリストニー・シャルーブ、ランス・レディック

日本公開:2000年