映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイレビュー&感想Vol.327:「史上最大の作戦」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は327本目。タイトルはケン・アナキン、アンドリュー・マートン、ベルンハルト・ビッキ監督らによる、1962年日本公開作品「史上最大の作戦」。ケン・アナキン監督がイギリスのパート、ベルンハルト・ヴィッキ監督がドイツのパート、アンドリュー・マートン監督がアメリカのパートをそれぞれ担当し、20世紀FOXで「トラ・トラ・トラ!」などを手掛けたダリル・F・ザナックがプロデュースした、超大作の戦争映画だ。当時20世紀FOXは、ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ監督による「クレオパトラ」の巨額の製作費が回収できず、会社が倒産寸前だったが「史上最大の作戦」の世界的な大ヒットで再建したらしい。1963年の第35回アカデミー賞では、「撮影賞」「特殊効果賞」「作品賞」「編集賞」「美術賞」の5部門でノミネートされ、そのうち「撮影賞」「特殊効果賞」を受賞している。出演はジョン・ウェインヘンリー・フォンダロバート・ミッチャムエディ・アルバートリチャード・バートンクルト・ユルゲンスショーン・コネリーなど各国の豪華俳優が集結しており、179分という長尺にも関わらず飽きさせない。

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第2次世界大戦末期の1944年6月、ドイツ軍は連合軍のフランス上陸に備え防御を固めていたが、悪天候を理由に近日中の侵攻はないと判断するが、イギリスで連合軍を指揮する最高司令官アイゼンハワーは、”ノルマンディー上陸作戦”を決行しようとしていたというストーリーで、ドイツ軍側の内情やアメリカ、イギリス、フランスの連合軍に属するキャラクターたちの行動を、それぞれ緻密に描いていく。「ノルマンディー上陸作戦」を描く作品といえば、もちろんスティーヴン・スピルバーグ監督の「プライベート・ライアン」という傑作があるが、さらにその36年も前にこんな凄まじい作品が作られていたことには驚かされる。特に終盤のロングショット&ワンカットシーンは、「どれだけ大規模な人員と予算をかけているんだ?」と、素直に映像の力に感服してしまう。今ではVFXやCGでどんな映像でも作れてしまうが、やはり実際に大量のエキストラが投入され、爆薬によって作られた爆破シーンの数々は、”リアリティの違い”が明らかに画面から伝わってくる。現在ではこの規模の超大作戦争映画は作るのが難しいと思うし、一流のスター映画としても観る価値の高い作品だろう。


監督:ケン・アナキン、アンドリュー・マートン、ベルンハルト・ビッキ

出演:ジョン・ウェインヘンリー・フォンダロバート・ミッチャムエディ・アルバートリチャード・バートンクルト・ユルゲンス

日本公開:1962年