映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.351:「スティルウォーター」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は351本目。タイトルはトム・マッカーシー監督による、2022年日本公開作品「スティルウォーター」。特典映像としては「登場人物たちの視点」「マルセイユアメリカ人:ロケ地紹介」「好奇心と共感:トム・マッカーシー監督に迫る」で、計12分が収録されている。トム・マッカーシー監督が、「人物と物語がこの映画の全てだ。全シーンのすべてのキャストが迫真の演技を見せたよ。主人公ビルは普通のヒーロー像の逆を行こうと考えたんだ。ヒーローのイメージが強い、マット・デイモンを起用してね。マットは感性が豊かだから、全力で挑戦する姿は見ていてワクワクしたよ。舞台はマルセイユに決めていた。この映画の構想は9年前だったが、その時からこの街に魅了されていたからね。求めていたのは、アメリカでは馴染みが薄く歴史を感じる街だった。幸運なことに、今回は物語の舞台で撮影が出来たよ。低予算映画だけど、安っぽくなってはいけないから外国映画のつもりで撮った。本作では壊れた親子関係を描いたんだ。ダメな父だった男と、彼とは対照的だが父を必要とする娘という親子が共通点を見出す映画だ。これは米国の現状でもある。分断されているんだ。観客には物語に没頭してほしいし、我々が生きるこの世界についても考えて欲しい。本作は”答え”ではなく、”問い”なんだよ。」と語っている。

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主演のマット・デイモンは「主人公はいわゆる典型的な”アメリカ人”で、油田作業員のビルがよりによってマルセイユにやってくるんだ。ビルになり切るために、ある種の風貌と感性を持った特徴のある人物たちを研究したよ。モデルにした人たちと幸運にも交流でき、監督は彼らの話をビルの人物像に反映したんだ。ビルにとってマルセイユに来るのは大冒険だ。彼とマルセイユには相いれない個性があるからね。トム・マッカーシー監督の映画が大好きだから、本作には喜んで出演したよ。アメリカ人の監督とフランス人の脚本家の共作だが、本作はリアルだから好きだ。実在の人間の生き様を見ているようで、時には心が痛むけどね。」と答えている。


作品としては、「スポットライト 世紀のスクープ」のトム・マッカーシーが監督・脚本を担当したヒューマンサスペンスで、フランス留学中に殺人罪で収監された娘の無実を証明するため、真犯人を探す米国人の父親を描いている。出演は「ボーン・アイデンティティー」「オデッセイ」などのマット・デイモン、「マリアンヌ」「ハウス・オブ・グッチ」のカミーユ・コッタン、「リトル・ミス・サンシャイン」のアビゲイル・ブレスリンなど。地味ながらも考え抜かれた脚本と演出が堪能できる上、ストーリーのツイストもあり最後まで飽きさせない良作だ。珍しく典型的な保守的アメリカ白人を演じたマット・デイモンと、フランス人母子の国境を超えた疑似家族の絆が描かれており、サミー・スミスの楽曲を聴きながら3人がダンスするシーンは印象深い。公開時はあまり話題にならなかった作品だが、強くオススメしたい一作だ。

 

 


監督:トム・マッカーシー

出演:マット・デイモンアビゲイル・ブレスリンカミーユ・コッタン、ディアナ・ダナガン、リル・シャウバウ

日本公開:2022年