映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は391本目。タイトルはイ・ヘヨン監督による、2019年日本公開作品「毒戦 BELIEVER」。特典映像としては、「メイキング」「予告編集(オリジナル予告編/日本版予告編)」で計20分が収録されている。「メイキング」では、監督のイ・ヘヨンが「僕はジョニー・トー監督のファンだが、僕と彼は何一つ似たところがないと思っている。正反対の監督なんだ。だから彼の作風と同じように撮ろうと言われていたら、オファーを断っていたと思う。どんな作品になるか心配する人もいれば逆に期待する人もいたと思うけど、自分の特色を出しながら商業的にも成果を出さなければならないという、複数の課題をクリアしなければならず難しかったね。本作はオリジナル版とはかなり異なる。最初に受け取った脚本は、心理的な描写が色濃く描かれていたけど、短時間で人物像を描きスムーズに物語を展開させるために、多くの要素を削ったんだ。主人公であるウォノはプロである前に人を思いやることを優先するキャラクターだ。そんなキャラクターを、チョ・ジヌンが演じればより説得力が増すと思ったんだよ。」と言い、プロデューサーのイム・スンチョンは「オリジナル版では主人公の刑事キャラクターが魅力的だった。そしてこの刑事を中心に描かれる本作のストーリーは、”麻薬王の正体は誰か?”に主題を置いていて、このミステリー要素を前面に出せば、既存の韓国アクション映画と差別化できると思ったんだ。そしてオリジナル版に対して敬意を表す意味で、『毒戦』というタイトルはそのまま使うことにしたんだよ。この映画の観客に向けたアピールポイントは、展開の速さとキャラクターたちが個性豊かに描かれている点だね。」と語っている。
作品としては「京城学校 消えた少女たち」のイ・ヘヨン監督と、「お嬢さん」の脚本家チョン・ソギュンがタッグを組み、ジョニー・トー監督作「ドラッグ・ウォー 毒戦」を大幅に変更してリメイクし、大ヒットさせたクライムサスペンス。出演は「お嬢さん」のチョ・ジヌン、「タクシー運転手 約束は海を越えて」のリュ・ジョンヨル、「奈落のマイホーム」のチャ・スンウォン、今作が遺作となった「コンフィデンシャル 共助」のキム・ジュヒョクなど。韓国麻薬捜査局の刑事が、顔の見えない麻薬カルテルのボスを特定するため、危険なオトリ捜査を展開するというストーリーだが、登場するキャラクターたちがかなり個性的な上にクセが強く、このカルテルのボス「イ先生」の正体も意外性があって、韓国ノワールとして面白い作品になっている。
監督:イ・ヘヨン
出演:チョ・ジヌン、リュ・ジュンヨル、キム・ジュヒョク、チャ・スンウォン、パク・ヘジュン
日本公開:2019年