映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.442:「アラビアンナイト 三千年の願い」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は442本目。ジョージ・ミラー監督による、2022年日本公開作品「アラビアンナイト 三千年の願い」。特典映像としては、「メイキング」「フィーチャレット映像」「監督&キャストインタビュー」「予告編集」「日本プレミア試写会ジョージ・ミラー監督リモート登壇映像」で計69分が収録されている。「監督&キャストインタビュー」では、監督のジョージ・ミラーが「この物語は小説で知った。最初に読んだ時、類まれな物語だと感じたよ。人生の謎や矛盾の多くを模索し、それをぎっしりと詰めた物語なんだ。長い間心に残っていたが、ある日映画化すべきだと思い立った。私が最も大切にしていることは、『マッドマックス』のようなアプローチだ。放射線測定器を使うようにアプローチする。そこに掘り出せるような宝庫はあるのか?引き込まれるようなダイナミックな展開はあるか?と、激しい”放射能”を探すんだ。それが『マッドマックス』との共通点だと思う。表面から見えない箇所に大きなこだわりがあるから、観客にそれが伝わると嬉しいね。」と言い、「この映画の主人公は理性的な女性だ。彼女は魔人に出会い、願いを叶えると言われるが彼女は人生に満足している。それに彼女は物語を研究する学者だから、願い事が恐ろしい結果を招くと知っているんだ。だから魔人は彼女を説得するために、3000年間も瓶の中に囚われていた話をするんだが、最終的に彼女は自分でも驚くような願い事をするという映画だ。ファンタジー要素の強い極めてシンプルな寓話にこそ、真実が込められている。だから人は物語を語るんだ。こうした伝達方法によって子供たちに哲学的なことや心理学的なことを伝える訳だね。私たちは物語を通して伝えているんだよ。”躍るペンギン”や”喋るブタ”の映画制作でそれを学んだ。こうした映画には真実が詰まっているからね。そして、この作品もそうなんだ。」と語っている。

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主演のイドリス・エルバは「この物語を知った時とても美しくて幻想的なストーリーで、ジョージ・ミラー監督の新たな挑戦だと思ったよ。これまでの彼の作品とは少し異なるからね。でも核心の部分には感動の物語があった。歴史も美的感覚もどれも素晴らしかったんだ。そして監督とティルダ・スウィントンと一緒に仕事できることが、一番の魅力だったよ。」と言い、ティルダ・スウィントンは「ジョージ・ミラーが監督を務めることが、出演の決め手だったわ。つまり大部分を占めるのは彼の存在ね。ジョージが作るものには共通点があると思う。確かに本作はこれまでの作品とはまったく違うけど、同じ雰囲気を感じるの。初めて台本を読んだ時、まさに彼の映画だと感じたわ。私は彼の映画の大ファンだから、撮影の最初から最後まで夢のようだった。彼の映画を観る時、私は子供のように反応してしまう。私の世代の役者の大半はヒッチコックと働けなかったけど、ジョージ・ミラーがいるわ。」と答えている。

 

作品としては、「ロレンツォのオイル 命の詩」「ベイブ」「ハッピー フィート」「マッドマックス」シリーズなどの鬼才ジョージ・ミラーが手掛けた、ファンタジーロマンス。ミラー監督にとっては劇場長編10作目となっている。出演は「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」のイドリス・エルバ、「サスペリア」「グランド・ブダペスト・ホテル」のティルダ・スウィントン。A・S・バイアットの短編集を原作としている。ポップな作風と思いきや、完全に”大人向けの物語論”になっていて、様々な解釈の余地がある相当に面白い映画になっている。映画という”物語を語ること”に特化した娯楽らしい、ブルーレイで何度も観たくなる作品だと思う。

 

 

監督:ジョージ・ミラー
出演:イドリス・エルバティルダ・スウィントン、アーミト・ラグム、ブルク・ゴルゲダール、マッテオ・ボチェッリ
日本公開:2022年