映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.462:「モーリタニアン 黒塗りの記録」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は462本目。タイトルはケヴィン・マクドナルド監督による、2021年日本公開作品「モーリタニアン 黒塗りの記録」。特典映像としては「インタビュー:ジョディ・フォスター/タハール・ラヒム/シャイリーン・ウッドリー/ベネディクト・カンバ―バッチ」「彼の物語」「暗闇の記憶」「撮影風景」「劇場予告編」で、計36分が収録が収録されている。「インタビュー:ジョディ・フォスター」では、「映画が持つ最大の魅力とは、常に感情を中心に描かれる点よ。歴史の一部である事実がどれほど興味深くても、人々の感情が中心になければいい作品にはならない。私が演じたナンシーは矛盾に満ちた女性で、計画的でタフで論理的、そして残酷なまでに冷静な半面、驚くほど温かみのある人物なの。実際にモハメドゥの弁護を引き受けてから、彼女は何年もただ座って彼と監房で過ごした。撮影中に2人の姿を見る事ができたんだけど、それは特別な光景だったわ。ナンシーはモハメドゥを息子のように愛してたから。ケヴィン・マクドナルドは、好奇心旺盛で探求心の強い監督だった。今回の撮影では、ドキュメンタリーの神髄を見ることができたわ。映画作りに対する姿勢はすごく自然体で、型にはめようとはしない。彼のやり方が本作に独特の緊張感を与えていると思う。」と言い、「本作では全ての関係者に対して公平であることを心掛けた。どんな実話であれ、誰もが最善を尽くそうとしているだけで、そこに悪者は存在しないと思うから。この作品に何らかの教訓が込められているとすれば、それは恐怖に基づく衝動の強さだと思うわ。9・11の頃、アメリカは恐怖に支配されていて、当時この国が下した外交上の重要な決定は、守るべき法や規則ではなく恐怖に基づいて下されたの。でも法律はこの国や世界を形作るものよ。民主主義や法の支配は、本作の核よ。私たちが人間らしくいるために、それは何よりも重要だと思う。」と語っている。

f:id:teraniht:20240223204723j:imagef:id:teraniht:20240223204724j:image

また監督のケヴィン・マクドナルドは「この話を知ったのは、モハメドゥの手記が出た時だ。グアンタナモ収容所でつづられた最初の文章だった。本作は政治法廷スリラーだが、グアンタナモの囚人を家族もユーモアもある、きちんとした”人”として描きたいと思ったんだ。主演のジョディ・フォスターは完璧だった。彼女を一目見れば、役柄が分かるからね。今こそ、人間らしさと他者の論理を尊重すべき時なんだよ。」と答えている。

 

作品としては、「ラストキング・オブ・スコットランド」「消されたヘッドライン」のケヴィン・マクドナルドが監督した法廷スリラー。2001年のアメリカ同時多発テロ事件の直後にテロリストとして疑われ、米軍のグアンタナモ基地に収容され続けた実在の人物モハメドゥの「グアンタナモ収容所 地獄からの手記」を映画化した作品だ。出演はジョディ・フォスター、タハール・ラヒム、ベネディクト・カンバーバッチなど。ジョディ・フォスターは、第78回ゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞している。非常に地味な作品だと思うが、コントラストが効いたストーリーと演出、一流のキャスト陣の演技が加わり、この実録映画を魅力的なものにしていると思う。久しぶりにジョディ・フォスターの真骨頂が楽しめる映画だろう。

 

 

監督:ケヴィン・マクドナルド
出演:ジョディ・フォスター、タハール・ラヒム、シャイリーン・ウッドリー、ベネディクト・カンバ―バッチ、ザッカリー・リーヴァイ
日本公開:2021年