映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.461:「プレイタイム 4Kレストア版」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は461本目。タイトルはジャック・タチ監督による、1969年日本公開作品「プレイタイム 4Kレストア版」。特典映像としては、「短編『ぼくの伯父さんの授業』」「作品分析『我が家のように』」「コメンタリー ジェロームデシャン(演出家)」「コメンタリー ステファヌ・ギデ(評論家)」で、計73分が収録されている。また本パッケージには、小柳帝氏による解説リーフレットが封入されている。「作品分析『我が家のように』」では、ジャック・タチのコメントして「『プレイタイム』は2部構成、合計153分でパリで初上映されたが、作品の調和が崩れてしまうと考え、上映前に一部をカットした。まるでバレエのように、筋(ストーリー)のない作品だと言われるのは面白いよ。ありきたりな展開には持っていきたくないんだ。起承転結のある物語展開は必ずしも映画に必要ない。物語に工夫を凝らした映画は多いが例外があってもいいし、話の続きを望まない観客もいる。私が観客に届けたいのは”笑い”なんだ。」と言い、「観客の動きを読まずに、映画は作れないよ。この作品冒頭の感触は冷たい。でも映画の中盤まで来たら、冒頭の雰囲気との違いに観客は驚くだろうね。観客が最後まで作品を観て、喜びと共に人生を享受することを望むよ。映画館を出た時から、また映画のような人生は始まるんだ。」と語っている。

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作品としては、フランスの映画監督兼俳優であり「ぼくの伯父さん」「トラフィック」などを手掛けたジャック・タチの長編4作目。ジャック・タチ自らの集大成を目指し、ほぼ10年という歳月と多額の資金を注ぎ込んだ野心作であり、フランス映画史上屈指の超大作と言われている。作品としては明確なストーリーラインがほとんど存在せず、「タチ・ヴィル」と呼ばれるガラスの超高層ビルや空港・博覧会場などのモダンな建築とレストランで繰り広げられる、いわゆる”群像劇”だ。ただ一部の業界人には評価されたが、マスコミからは酷評されたことで興行的には惨敗し、監督も破産に追い込まれてしまったという”いわくつき”の作品だ。2002年になって、カンヌ国際映画祭の記念上映で126分70mmヴァージョンが復元されている。巨大セットを使った、圧倒的なビジュアルイメージが有名な映画であり、各登場人物の振り付けも担当したという、コメディアン”ジャック・タチ”のシュールな世界観が楽しめるかどうか?で評価が分かれる作品だと思う。

 

 

監督:ジャック・タチ
出演:ジャック・タチ、バーバラ・デネック、ジャクリーヌ・ル・コンテ
日本公開:1969年