映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.463:「アレックス」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は463本目。タイトルはギャスパー・ノエ監督による、2003年日本公開作品「アレックス」。特典映像としては、特に無し。「VORTEX ヴォルテックス」「CLIMAX クライマックス」「エンター・ザ・ボイド」などの衝撃作を次々と発表している、フランスの映画監督ギャスパー・ノエによる初期代表作。エンディングテロップから始まって時系列を逆にして、物語が進んでいくという構成の作品だが、2021年にはノエ監督自らが編集し直した、「STRAIGHT CUT(ストレートカット)」が公開になっている。2002年のオリジナルバージョンは、第55回カンヌ国際映画祭正式招待作品であり、東京国際ファンタスティック映画祭2002のクロージング作品になった。レーティングは「R18+」。モニカ・ベルッチ演じるアレックスが被害に遭う、およそ9分にわたる中盤のレイプシーンの描写はあまりに凄惨で、劇場から退出する女性が後を絶たなかったらしいが、それも頷ける強烈な場面になっている。

f:id:teraniht:20240225182829j:imagef:id:teraniht:20240225182831j:image

出演は「ドーベルマン」「マトリックス・リローデッド」「オン・ザ・ミルキー・ロード」のモニカ・ベルッチ、「オーシャンズ12」「イースタン・プロミス」「ブラック・スワン」のヴァンサン・カッセルで、二人はこの作品の公開時には結婚していたが、2013年に破局している。ストーリーとしては、恋人マルキュスと幸せな毎日を送るアレックスは、元恋人でマルキュスとの共通の友人でもあるピエールと3人でパーティへ出かける。パーティでドラッグをやるマルキュスと口論になったアレックスは、心配するピエールを振り切って1人で帰路へつくが、地下道で男に襲われ激しく暴行されてしまう。それを知ったマルキュスは、怒りのままに犯人を探し出すために夜の街をさまようのだった、というシンプルなストーリーを”逆回転”で見せていく。とにかく冒頭から、”ギャスパー・ノエ節”が全開で、グラグラのカメラワークと目に痛いライティングと色調、そして過激な暴力描写でこちらを独特の世界観に叩き込んでくるため、良くも悪くも画面から目が離せない。「CLIMAX クライマックス」の原型とも言える作品だろう。個人的には「STRAIGHT CUT」よりも、映画としてのツイストが効いていて、このオリジナル版の方が好みである。

 

 

監督:ギャスパー・ノエ
出演:モニカ・ベルッチヴァンサン・カッセルアルベール・デュポンテル
日本公開:2003年