映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は474本目。タイトルはパク・チャヌク監督による、2004年日本公開作品「オールド・ボーイ 4K修復版」。特典映像としては、「Old Days」「メイキング・ドキュメンタリー」「削除・未公開シーン」「原作者/土屋ガロン:インタビュー」「監督/キャストインタビュー」で、計244分が収録されている。「監督/キャストインタビュー」では、監督のパク・チャヌクが「暴力と復讐がテーマの映画を作っていますが、自分は暴力的な性格だとは思いません。むしろ反対に憤怒とか憎悪といった感情を抱かずに生きてきたので、映画で見せたかったのかもしれません。自分はストーリーボードを作成する段階で、ほぼ撮影スタイルが見えています。そのスタイルに合わせて脚本が書かれるのです。そしてその脚本は文体によってだいぶ変化していて、『復讐者に憐れみを』では文章が簡潔で、細かい描写はありませんでした。集約した中にメリハリがある脚本です。それに比べて『オールド・ボーイ』は文章も長めで、描写も詳しいです。ですから映画が完成する時点でどのようなスタイルになるかは、ほぼ脚本の段階で決定し反映されると考えています。」と言い、「『オールド・ボーイ』では手のイメージを多く使っていますが、全ての悲劇の始まりとなったイ・ウジンが姉の手を離すダムの場面がイメージの根底になっています。『JSA』では足をふんだんに使ったので、次の映画では手をたくさん使おうと思っていました。今回の映画では観客に心理的な影響ではなく、肉体的に反応して欲しかったのです。映画を観た後、観客は非常に疲れて身体がくたくたになってしまうような、疲労感を味わえる映画を作りたかった。そして、心底この作品が好きで楽しみながら撮りましたね。」と答えている。
主演のチェ・ミンシクは「この映画の制作過程はとても理想的でした。普通俳優は選ばれる立場ですが、一緒に仕事をしたい監督と俳優、それにプロデューサーが意見を交わしながら、企画段階から各自が積極的に参加するというやり方が理想的だったんです。この映画のテーマについて、最初は不安でした。私も韓国人であり韓国社会の一員ですから、国の文化的成熟度を考慮すると観客の憂慮の声が聞こえるようで、心配だったんです。ですが私たちが検閲を恐れてしまい、創作の範囲を狭くしては発展はありません。現場で創作に携わる人間は、その後の部分を考えるべきではないと思います。『オールド・ボーイ』は現場と製作側の双方で、そういったトラブルを見事に克服しましたね。」と言い、「本作では台本にない部分においても役と一体化して、演じられたと思います。クライマックスで校歌を歌ったシーンなどは、その結果と言えますね。台本のセリフ以上に無意識にしゃべり続けていましたから。この頃にはすっかり役に入り込んでいたので、私自身覚えていないほどでした。流れに任せた演技というのは恐らく、舞台の経験によると思います。まさしくサーフィンのように波に乗るように、流れに乗ってみるのです。だから疲れるけど、私はロングテイクが好きなんですよ。」と答えている。
作品としては、「JSA」「復讐者に憐れみを」「お嬢さん」などで世界的な評価を集めているパク・チャヌク監督が、日本の同名コミックを原作に、理由も分からないままに15年間の監禁生活を強いられた男がその謎を追う展開を、バイオレンス描写満載で描いたサスペンススリラー。2004年の第57回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞し、2013年にはスパイク・リー監督、ジョシュ・ブローリン主演でハリウッドリメイクもされている。日本では22年5月には4Kリマスター版が公開され、レーティング「R15+」が「R18+」に変更された。出演は「シュリ」「悪魔を見た」「悪いやつら」などのチェ・ミンシク、「親切なクムジャさん」のユ・ジテ、「トンマッコルへようこそ」のカン・ヘジョンなど。パク・チャヌク監督のキャリアの中でも、名実ともに世界的なブレイクスルーになった一作だろう。