映画を観て音楽を聴いて、感想を書くブログ

会社員バンドマンが綴る、映画と音楽のブログです。過去の名作から、新作まで綴っていこうと思います。音楽についても書くかもしれません。

「インフェルノ」を観た

インフェルノ」を観た。

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監督:ロン・ハワード

日本公開:2016年

 

ダン・ブラウン原作の「ダヴィンチ・コード」「天使と悪魔」に続くシリーズ第三弾。ロン・ハワード監督と主演トム・ハンクスのコンビは続投。ラングドン教授が駆け巡る今回の舞台は、イタリアのフィレンツェヴェネチア、トルコのイスタンブール。シリーズの特性でもある「観光ムービー」としても楽しい作品となっている。因みに原作は未読である。

 

あらすじ

ハーバード大学の宗教象徴学者ラングドン教授は、数日分の記憶を失った状態で、悪夢にうなされながらも、イタリア・フィレンツェの病院で目を覚ます。そこへ謎の襲撃者が現れ突然命を狙われたラングドンは、その病院に勤務していた女医シエナブルックスに助けられて病院を脱出する。理由も解らず何者かから追われる身となったラングドンシエナは、懐にあった謎の円筒型アイテムにより、生物学者ゾブリストが人類増加問題の解決策として恐ろしい伝染病を世界に広めようとしていることを知る。そしてゾブリストが詩人ダンテの叙事詩神曲」の「地獄篇」になぞらえて計画を実行していることに気づき、それを阻止するべく二人は謎を解きながら、イタリアを奔走する事になる。

 

感想

今作は過去の二作と違い、映画開始時点ではラングドン教授は全く事情のわからないままに追手に狙われ、謎の襲撃者から逃げまくる事になる。いわゆるヒッチコック監督の「北北西に進路を取れ」の様な『巻き込まれ型ミステリー』という形式を取っており、映画としては観客と一緒に謎を解いていくストーリー進行になるのだが、今作はそれが上手くいっており、先の読めない展開が楽しめる。

 

ハッキリ言ってしまうとシナリオの骨格は前作とほぼ同じで、ラングドン教授がポイント毎に、美術品や古い書物などから謎を解いて、次の行き先が決まって移動する、という流れが踏襲されているが、展開としては派手な見せ場も多くストーリーのヒネリもある為に「ダヴィンチ・コード」や「天使と悪魔」よりは、断然映画として魅力的で面白いと言える。また今作は、ある展開が起こった後、ラングドン教授が自主的に行動し、ストーリーを解決の方向に導く所もよい。

 

且つ、「インフェルノ」のタイトル通りに、地獄を映像化する試みを行なっているが、これも映画ならではのケレン味がある素晴らしいシーンになっていた。上質なホラー映画を思わせるくらいに、凝った画作りの中にちゃんとストーリーの伏線が配置されていたりと、見どころの多い場面だったと思う。

 

不満があるとすればラストシーンくらいだろうか。このシリーズの荒唐無稽な悪い部分が出てしまっており、突っ込み所満載のアクションシーンになってしまっていた。どうやら原作とは全く違うラストシーンらしいが、読んだ人に内容を聞いてみると僕は原作のラストの方が好みだった。原作を踏襲すると、ビッグバジェットのハリウッド映画にしては少し後味の悪い展開になりそうだが、ストーリーとしては断然面白い。映画版は二時間の枠に収める為にかなりのシーンを割愛しているらしく、やはり原作は良く出来ているという事であろう。

 

フィレンツェのヴェッキオ宮殿を始め、イタリアの観光地が軒並み登場する本作。ちょっとした旅行気分も味わえるし、サスペンス映画としても十分に楽しめる快作になっていると思う。人を選ばすに楽しめて、贅沢な気分になれるという意味では、エンタメ娯楽大作として成功している良作だ。