映画を観て音楽を聴いて、感想を書くブログ

会社員バンドマンが綴る、映画と音楽のブログです。過去の名作から、新作まで綴っていこうと思います。音楽についても書くかもしれません。

「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」を観た(完全ネタバレ&解説アリ)

スター・ウォーズ/最後のジェダイ」を観た。

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監督:ライアン・ジョンソン
出演:デイジー・リドリージョン・ボイエガマーク・ハミル、アダム・ドライバー
日本公開:2017年

 

2017年最後の大作「スター・ウォーズ」シリーズ8作目の「最後のジェダイ」が、遂に公開となった。ハン・ソロが死ぬという驚きの展開があった、前作「フォースの覚醒」から2年。昨年の「ローグワン」というスピンオフ作品を挟みつつ、いよいよ真打登場である。当然だが、完全に「フォースの覚醒」からの続きモノなので、少なくとも前作は必須、出来ればエピソード4〜6は観てからの鑑賞をオススメする。もちろん全作品観ているとベストだが。今回は完全ネタバレを含むので、ご注意を。

 

感想&解説

少なくても4回は泣いたと思う。あのオープニングのファンファーレからの、ポー・ダメロンが乗るXウィングを観た瞬間、「ああ、いまスターウォーズの新作を観ているのだ」という喜びに目頭が熱くなる。これは、もはや映画の完成度うんぬんを越えた、小学生からEP4を繰り返し観ていた自分という、ノスタルジー込みの評価だがそれは仕方ない。ヨーダのEP5のパペット時代を意識した動きや、R2-D2がルークに見せるレイアのホログラム、そしてレイアとルークの再開シーン。30年以上、スターウォーズが好きな僕にとっては過去作品の場面がいちいちオーバーラップして、その度にスクリーンが滲むのである。

 

正直、シナリオはかなりご都合主義だし、レジスタンスの行き当たりばったりの作戦も酷い。更に、今回フォースの力が「何でもありの魔法」になってしまっている気がして、特にレイアの宇宙空間からの復活シーンなどは正直引いた。レイとカイロ・レンが空間をまたいで突然会話し出すシーンや、ルークの霊体での戦闘シーンなど、過去のスターウォーズシリーズとの整合性を考えると謎の設定も登場し、いちいち気持ちがかき乱される。

 

レイの両親の件など、本作の大きな謎だったのに「名もなき、ただの人でした」では、レイがあれだけ強いフォースを持っている事が説明出来ないし、ストーリーがツイストを意識し過ぎていて、ルークやポーの事を観客が疑い出す様な演出も、確かに宣伝コピーの「誰も観たことのない、衝撃のスター・ウォーズ」の通り斬新ではあるが、正直「これじゃない感」が強い。おまけにファースト・オーダーの総裁である、スノークも結局何者だったのかがよく分からず仕舞いである。

 

ギャグももはやシュールの域に達しており、特にルークがレイを修業中にからかうシーンや、カイロ・レンの半裸に、思わず「何か着るものないの?」と動揺するレイ、「(行動の)全てが読めている」と繰り返し言わせた後、カイロ・レンのフォースによって、スノークまさかの真っ二つシーンなど、スターウォーズぽくないシーンの数々に、大きな違和感が残る。ベニチオ・デル・トロの登場も完全に世界観から浮き上がってしまっているし、相変わらず、期待の新キャラだったキャプテン・ファズマには見せ場が無い。

 

だが、こういった諸々の不満もラストカットを観て、その全てが吹き飛んでしまった。ルークが逝き、彼のフードだけが残るジェダイが死んだという演出の後、惑星カントニカの少年が異惑星の言葉で何かを話しているシーンになる。彼の話している単語から、ルーク・スカイウォーカージェダイが宇宙を救ったというストーリーを、他の少年たちに嬉々として説明しているようだが、奴隷である彼らはすぐにまた仕事に戻される。しぶしぶ仕事に戻る少年。彼はふと宙を見上げる。その目線の先には広大な宇宙があり、星が瞬いている。すると、彼はそのホウキをフォースの力で引き寄せて、構えてみせる。そう、まるでライト・セーバーのように。そのシーンで、僕は涙腺決壊してしまった。

 

EP4でルークが、故郷の惑星タトゥイーンに居ながら「まだ何者でもない自分」を持て余しながらも、希望を胸に二つの夕陽を見上げるシーンとこの少年は呼応する。それと同時にルークが死んでも、ジェダイの意志は若い子供たちに受け継がれて、「最後のジェダイ」はレイだけでは終わらないという意図のシーンだと感じたが、それ以上に、あの少年に僕は自分を重ねてしまったのだ。子供の頃からそれこそ学校で、ホウキをライト・セーバーに見立てて友達とスター・ウォーズごっこをし、口で「フォン、フォン」と効果音を入れながら、ルークになり切っていた子供の頃の自分。ルークはスター・ウォーズの世界の中では死んだけど、僕は多分生涯ルークの事を忘れないだろう。あの少年の後ろ姿は、人生を通してスター・ウォーズとルークに魅了されてきた、そしてこれからもそうなり続ける、全世界のスター・ウォーズファンの姿だ。そう、エピソード8はルークの物語だったのである。

 

ひとまず次作のエピソード9で、新三部作も終わりになるはずだ。ディズニーから、更に新しい三部作の構想が発表されたが、ルークもハン・ソロも、レイアもダース・ベイダーも絡まないスター・ウォーズを「スター・ウォーズ」として認められるのか?、自分でも自信がない。そしてエピソード9だが、今作「最後のジェダイ」でかなりの謎と伏線を強引に解消してしまった感がある。ダークサイドに堕ちたカイロ・レン率いるファースト・オーダーと、レジスタンスの最後の闘いになるのだろうが、どうにも物語のフックが弱い気がするし、期待値が下がっているのは否めない。それも杞憂で終わるといいと本気で思っているのだが。

 

次作の監督は、またJ.J.エイブラムスらしいが、劇中でヨーダが「ジェダイ・マスターの役割は、新しい才能に乗り越えられる事だ」というようなセリフがある。ジョージ・ルーカスというジェダイ・マスターが遺した偉大なシリーズを、J.J.エイブラムスが見事に着地させてくれる事を願ってやまない。あ、それから予告編で出てきた「ポーグ」が反則的な可愛さであった事は、最後に書いておきたい。こういうキャラを作らせると、ディズニーはやっぱりすごいなと改めて感心した。