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映画「ワンダーウーマン」ネタバレ感想&解説 新しくも魅力的な女性ヒーローの誕生!アクションシーンの既視感は強いが、女性監督の快作!

ワンダーウーマン」を観た。

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世界興行収入が800億円を突破し、「ハリーポッター」の全シリーズを抜くという想像を超える大ヒット作となっている「ワンダーウーマン」を観た。監督を勤めたパティ・ジェンキンスは女性監督歴代No.1興行収入を獲得したり、ジェームズ・キャメロンが本作の出来に噛み付いてマスコミを賑わしたりと、世界ではこの夏一番の話題作となっている。今回はアッサリと感想を。

 

監督:パティ・ジェンキンス

出演:ガル・ガドットクリス・パインロビン・ライト
日本公開:2017年

 

感想&解説

まず主人公ダイアナを演じる、ガル・ガドットが文句なしに素晴らしい。ワイルド・スピード」シリーズにも出演していたが、やはり「バットマンvsスーパーマン」のラスト、美味しい所を見事に掻っさらっていった、ワンダーウーマン役のはまり具合は半端では無い。この映画の魅力の大部分は、このガル・ガドットによると言っても良いと思う。どんなに激しく動いても、傷ひとつ負わずメイクもバッチリ、髪型も出勤前のホステスさんばりに完璧なウェービーヘアを保ち、勇ましく戦うダイアナさん。これでもかとカメラが寄るが、あれだけアップの画作りにも耐えられるのは、ガル・ガドットの美貌が成せる技だろう。

 

戦闘シーンは、ザック・スナイダー監督の2007年公開「300(スリーハンドレッド)」直系の、アメコミ的な構図とスローモーションを組み合わせた演出で、安定の格好良さだし、VFXも豪華で良い。いささか近年のアメコミヒーロー映画の飽和ぶりから、正直見飽きた感はあるが、それは仕方ないだろう。本作「ワンダーウーマン」は、純度100%のファンタジー映画であり、完全無欠の最強主人公が女性であるという事以外の目新しさはほぼ無いと言って良いと思う。最初は無垢で世間知らずのお嬢様が、外の世界から来たワイルドな男性と知り合い、平和の為に家族の元を巣立ち旅に出て、真実の愛を知る。彼女は超絶に強く、弱腰(に見える)周りの男達を導き、率先して戦い、そして美しく勝利し、世界を救う。

 

過去の様々な作品から集めた要素で成り立っているのは否めないし、設定も説明不足で、ダイアナが育ったアマゾン族が何故女だらけなのか?とか歳は取るのか?とか、セミッシラと言われるあの島は行ったり来たり出来るのか?とか、疑問は山ほど出る。そういう意味では過去のどのアメコミ原作映画よりも、ユルい設定の作品だと思う。だが、結局ガル・ガドットが美しく暴れまくるラストシーンを観ている内に、それらは「色々な意味で」どうでも良くなるのである。これがこの作品の1番の魅力だろう。

 

今回の「ワンダーウーマン」の世界的な大ヒットによって、今後女性ヒーローが主役となるアメコミ作品が多数作られるらしい。「ワンダーウーマン」の続編は既に決定らしいし、「スーサイド・スクワッド」の女性キャラを主役とする「ハーレイ・クイーン」、更に「キャプテン・マーベル」なる新ヒーローも予定されているとの事で、この金脈もすぐに飽和状態にならないかが心配だ。個人的には女性が主人公というだけに止まらない、全く新しいヒーロー映画が観たいと思う。

採点:7.0(10点満点)

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