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映画「ロスト・バケーション」ネタバレ感想&解説

「ロスト・バケーション」を観た。

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昨年劇場公開されて評判が良かったにも関わらず、スルーしていた作品だったので、ブルーレイで鑑賞。監督は「エスター」や「フライト・ゲーム」のジャウマ・コレット=セラ。正直、この監督の過去作品では「エスター」が飛び抜けて良い。意外なドンデン返しものホラーが観たい方は是非。さて、本作はサーフィンをしに人気の無い海岸に訪れた美女が人喰いサメに遭遇し、岩場に取り残されてしまうという、ワンシチュエーションのパニックサスペンスものである。

 

監督:ジャウマ・コレット=セラ

出演:ブレイク・ライブリー

日本公開:2016年

 

感想&解説

実にシンプルなストーリーである。上映時間も86分とタイトだし、冒頭の自然の美しさと主演のブレイク・ライブリーの孤軍奮闘ぶりを観ていると、あっという間に映画が終わる。「ディープ・ブルー」や「オープン・ウォーター」などのサメ映画は過去にもあったが、75年スティーブン・スピルバーグ監督の名作である「ジョーズ」直系の、サメ対人間のガチンコ対決が今作の主題だ。だが「ジョーズ」との違いは、岩場に残されたほぼ水着姿の女性がなんの武器も無く、どの様にサメと戦い、この環境から脱出するのか?であり、主人公が圧倒的に不利な立場にあるという事だ。

 

しかもこの映画の最大の敵は、実はサメでは無く、主人公のナンシーが最初に襲われる時に負う脚のケガである。設定上、ナンシーは医者の卵だという設定なのだが、これが傷の深さや応急処置の方法も含めて、本当に痛そうで、僕はホラー映画を観ていても画面から目を背けた事はほとんど無いのだが、今作だけはナンシーが、治療中に痛みで悲鳴を上げる度に目を瞑ってしまった。

 

この映画、とにかく「ドS描写」が満載で主人公はサンゴ礁を踏んでは流血し、クラゲに刺されては苦悶する。しかも、周りは当たり前だが海なので、波がバシャバシャ脚にかかる度に「あれ、絶対痛いよなー」と想像してしまい、サメが出ていないシーンでも精神的に追い詰められる。正直、サメと格闘しているシーンの方が動きがあるだけマシで、痛みに耐えながら衰弱していくシーンの方が精神的にキツかった。

 

対サメとのパニックサスペンスとしては、まずまず楽しめる出来だと思う。ブレイク・ライブリーの健康的な水着姿が拝めるのも、良い。観終わった後味も悪く無い。だが、基本的には美女が痛みと困難に顔を歪めながら、ボロボロになっていく様を観る映画なので、それを楽しめるかどうかが、本作を観る時の判断基準になるだろう。個人的には「127時間」を思い出した。ピンときた方はどうぞ。

採点:6.0(10点満点)

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