映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は403本目。タイトルはチャド・スタエルスキ監督による、2019年日本公開作品「ジョン・ウィック : パラベラム」。特典映像としては、「パラべラム:主席連合の遺産」「予告編集」で計22分が収録されている。「パラべラム:主席連合の遺産」では、チャド・スタエルスキ監督が「続編には呪縛がある。どんなに独自性を出そうと思っても、どうしても1作目には敵わないんだ。そんな状況で違いを出すために、強敵を用意したり、作品世界を膨らませようと考えるんだよ。今作ではジョンの人柄や裏社会を、彼の旅を通して掘り下げた。ジョンがどこで生まれ、殺しの技術を学んだのか?ロシア人なのか海兵隊員なのか?と彼には謎が多いからね。でも想像の余地が多いほど面白いんだ。だからジョンの古巣である劇場は、曖昧さを残して描いた。あの特殊な劇場に所属しているのは子供たちだけだ。彼らを心身ともに鍛えて導き、裏社会で生きる術を持つ”踊り手=殺し屋”に育て上げているんだろう。」と言い、「神話において重要なのが護符であり、魔除けだ。どこかに入る鍵にもなり得るし、先に進むヒントでもある。ジョンたちにとっては金貨や誓印、チケットがその役割なんだ。チケットは立場が変わる時に贈られるもので、旅の片道切符になる。つまりこれを渡せば、一度だけ窮地を逃れられるが、二度と古巣には帰れない。それで彼は助けを求めに、あの劇場を訪れたんだ。各都市のコンチネンタルホテルは、いわば裏社会の”安全地帯”だ。銃や防弾スーツなどが調達できる上に、様々な情報も手に入る。そして物語には”殺し屋”が大勢登場するんだ。金が目当ての殺し屋たちと、裏社会の法執行機関が罪を犯したジョンを追う。ジョンは凄腕の殺し屋だが、本当の彼はこんな稼業を望んじゃいない。彼が求めているのは、生き直すための赦しだろう。妻を忘れず、最期まで彼女の理想の男として死にたいという気持ちで、彼は全ての決断を下すんだ。」と語っている。
また主演のキアヌ・リーブスは「本作ではジョンの過去を描くことで、観客により広い世界を見せたかった。彼はアンジェリカ演じるディレクターがいる劇場へ行くんだが、そこで生まれ育ったらしいことが描かれる。コンチネンタルホテルのウィンストンは殺し屋たちにルールを教え、それを破ればどんな報いが待っているかを説いてきた男だ。今作で注目なのはその彼がルールに対し、何を成し何を成さなかったのか?そしてその報いとは何か?なんだ。首席連合がいかなる手段を使って、その力を示すのかも見ものだよ。そこで登場するのは、”裁定人”と呼ばれる人物だ。裏社会ではルールの順守と、主席連合への忠誠が求められる。そしてコンチネンタルには主席連合が決めたルールがあり、裁定人はルールを破った者を粛清する役どころなんだ。しかしこの三作目でジョン・ウィックやウィンストンは、主席連合の利益に反する行いをするんだよ。ジョンは妻を失い、哀しみに暮れている。そしてまた殺し屋の世界に引き戻されてしまった彼は、真の自分との葛藤を抱えているんだと思うよ。」と答えている。
作品としては、チャド・スタエルスキが監督を担当し、主演のキアヌ・リーヴスと超絶アクションを魅せる人気シリーズの三作目。今回も「R15+」作品だ。共演は共演はハル・ベリー、ローレンス・フィッシュバーン、マーク・ダカスコス、ランス・レディック、アンジェリカ・ヒューストンなど。キアヌ・リーヴスの「マトリックス」シリーズに続く人気作品となった本作は、銃とカンフーを融合させた「ガン・フー」など、ほぼスタントを使わないスタイルで新しいアクションシーンの数々を生み出してきた作品だろう。世界最高峰のアクションチームである「87イレブン・アクション・デザイン」が監修しており、この組織の創始者であり監督でもあるチャド・スタエルスキは、そもそもキアヌ・リーヴスのスタントダブルを務めていた人物のため、これだけ息のあったアクションシークエンスが作れるのかもしれない。第四作目「コンセクエンス」も、2023年9月に日本公開が予定されていて非常に楽しみだ。
監督:チャド・スタエルスキ
出演:キアヌ・リーブス、ハル・ベリー、ローレンス・フィッシュバーン、イアン・マクシェーン、マーク・ダカスコス
日本公開:2019年