映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は478本目。タイトルはリー・ダニエルズ監督による、2014年日本公開作品「大統領の執事の涙」。特典映像としては特に無し。「プレシャス」「ペーパーボーイ 真夏の引力」などの監督リー・ダニエルズが、ホワイトハウスで34年間に亘り7人の大統領に仕えた黒人執事を主人公に、ユージン・アレンという実在の人物を実話ベースで描いたヒューマンドラマ。「ハリウッドの大手スタジオからは、まったく相手にされなかった企画。製作費も驚くほど少ない」というのはダニエルズ監督のコメントだが、「ラストキング・オブ・スコットランド」のフォレスト・ウィテカー、「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のロビン・ウィリアムズ、「チャイナ・シンドローム」のジェーン・フォンダ、「コン・エアー」のジョン・キューザック、「ザ・エージェント」のキューバ・グッディング・Jr.、「ハッスル&フロウ」のテレンス・ハワードと豪華キャストが勢ぞろいしている他、マライア・キャリー、レニー・クラビッツといったミュージシャンが参加しているのも、本作の魅力だろう。
作品としては、奴隷として生まれた黒人セシル・ゲインズは見習いからホテルのボーイとなり、その真面目な働きぶりから、遂に大統領の執事にスカウトされる。それ以来約30年間ホワイトハウスで過ごし、7人の大統領に仕えてきたセシルは、キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争などアメリカが揺るがす事件を目の前で体験していく。だが忠実な執事であると同時に2人の息子を持つセシルは、長男から強く反発される。白人の忠実な執事である父の仕事に納得できず、ブラックパンサーの反政府運動に身を投じる長男や、国のために戦う事を選びベトナム戦争へ志願する次男、その間で揺れ動く愛妻の間で、セシルは家族との関係もこじれていくというストーリーだ。KKKの襲撃や公民権運動など明確に黒人差別をテーマにした作品だが、希望のあるラストシーンも含めて観やすい作品となっているだろう。一方で、同年代を描いた「フォレスト・ガンプ/一期一会」が全く描いていなかった黒人差別問題を、しっかり扱ったアンチテーゼ的な作品にもなっており、骨太のメッセージを含んだエンターテインメントになっている。
監督:リー・ダニエルズ
出演:フォレスト・ウィテカー、オプラ・ウィンフリー、ジョン・キューザック、キューバ・グッディング・Jr.
日本公開:2014年