映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記 ネタバレ&考察Vol.477:「ナイルの宝石」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は477本目。タイトルはルイス・ティーグ監督による、1986年日本公開作品「ナイルの宝石」。特典映像としては「未公開シーン集」「ロマンシング・ナイル:新たな旅の始まり」「ロマンス小説家の冒険」「劇場予告編」で、計37分が収録されている。「ロマンシング・ナイル:新たな旅の始まり」では、監督のルイス・ティーグが「ある時、マイケル・ダグラスに楽なロケ地は他にいくらでもあるのに、なぜ中東なのか?と理由を尋ねたら、”前作のジャングル・ロケで大変な思いをしたから、次は暖かくて乾いた場所がいい”と言われたんだ。だけどサハラ砂漠は気温が50度近くあったから、マイケルに”確かに暖かいね”と嫌味を言ったよ。前作『ロマンシング・ストーン』が素晴らしい作品だったから、続編を作るプレッシャーは大きかった。脚本が素晴らしいのはもちろん、俳優たちの相性も抜群だったからね。文句のつけようがない作品だったから、あえて前作の事は忘れるようにしたんだ。でも最初にマイケルに釘を刺されたよ。脚本は執筆中だしロケ地も未定だから、”難しい仕事になるだろう”とね。この映画は当時だから撮れた作品とも言える。今は世の中がもっと敏感になってて、典型的なアラブの悪人像を描くことが難しいからね。中途半端に民族性をネタには出来ないんだ。ああいう無邪気さが許される時代だったんだよね。」と語っている。

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マイケル・ダグラスは「今回の撮影はモロッコだ。外国でああいう過酷なロケをやるとキャストの絆が強まるよ。僕が続編を作ったのは後にも先にも本作が最後だ。続編を製作しようと思った理由は、そうすることが必然に思えたし物語を広げる余地が十分にあると感じたからだ。ただ問題もあった。前作の脚本を手掛けたダイアン・トーマスが、忙しくて参加できなかったし、撮影が始まる2週間前に飛行機事故が起こって、大切な友人を何人も亡くしたんだ。プロダクション・デザイナーや美術監督をね。飛行機が墜落したのは、ロケ地を探している最中だった。娯楽作品を作ろうという時に悲しすぎる出来事だったよ。劇中で登場するF-16は、美術監督が戦闘機の工場に連絡して”設計図が欲しい”と言ったら、当然ながら極秘扱いで呆れられた為、彼は玩具店に行ってプラモデルを買ってきたんだ。それを拡大して作ったのが、あの戦闘機なのさ。製作者として何度かこういう映画に関われば、もうどんな作品も怖くなくなる。早い時期にこの映画を作れて幸せだよ。」と答えている。

 

作品としては、1984年「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」の続編であり、マイケル・ダグラスキャスリーン・ターナーダニー・デビートなどのメインキャスト陣が続投しているアクションコメディ。監督は前作のロバート・ゼメキスから「クジョー」「ネイビー・シールズ」などのルイス・ティーグに変更になっている。前作の路線を踏襲してはいるが、全体的にはかなり弛緩した出来になっており、「ロマンシング・ストーン」の良かったところがほぼ消えている続編と言えるだろう。興行成績もイマイチだったようで、シリーズに終止符を打った残念な作品である。

 

 

監督:ルイス・ティーグ
出演:マイケル・ダグラスキャスリーン・ターナーダニー・デビート、スピロス・フォーカス
日本公開:1986年