映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.27:「大いなる遺産」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は27本目。タイトルは、アルフォンソ・キュアロン監督作品「大いなる遺産」。amazonにて中古で購入。日本初ブルーレイ化だが、特典映像はまったく無し。「ゼロ・グラビティ」「ROMA/ローマ」でアカデミー作品賞に輝いたアルフォンソ・キュアロン監督の長編3作目だ。先日、2001年「天国の口、終りの楽園。」を観返していたのだが、本作があれよりも前の作品だったとは驚きだった。チャールズ・ディケンズ原作の官能的な世界を、イーサン・ホークグウィネス・パルトロウが瑞々しく表現している。特に本作におけるグウィネス・パルトロウの妖艶さは只事ではない。衣装やメイク、彼女の演技と合わせて、2020年現在でもっとも美しいグウィネス・パルトロウが堪能できる作品だと思う。

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これは「ゼロ・グラビティ」「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」「レヴェナント: 蘇えりし者」で三年連続でアカデミー撮影賞を獲ることになる、撮影を担当したエマニュエル・ルベツキも功績も大きいだろう。全体的に緑を基調とした色彩の中に、カモメが行き交う海のロングショットや富豪ディンズムア夫人が暮らす廃墟なのに美しい屋敷、そしてその中で行われる水飲み場のキスシーンと、印象深い名ショットが連発する。もともとはイギリスが舞台の原作を、現代アメリカに移し替えたことで若干ニュアンスは変わってしまっているようだが、ロバート・デ・ニーロのアーサー・ラスティグ役やイーサン・ホーク演じる主人公フィンの危なげな雰囲気も本作にはハマっていた。今や巨匠のアルフォンソ・キュアロン監督作としては決して派手な映画ではないが、ブルーレイで美麗なショットの数々を改めてゆっくり鑑賞できたのは良かった。


監督:アルフォンソ・キュアロン

出演:イーサン・ホークグウィネス・パルトロウアン・バンクロフトロバート・デ・ニーロ

日本公開:1998年