映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.124:「バジュランギおじさんと、小さな迷子」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は124本目。タイトルは、カビール・カーン監督による作品「バジュランギおじさんと、小さな迷子」。ヤフオクにて中古で購入。映像特典としては「日本版予告編/本国版予告編」のみだが、12pの特製ブックレットが封入されている。作品としては「ダンガル きっとつよくなる」「バーフバリ 王の凱旋」に次いで、インド映画世界興収歴代第3位を記録したヒューマンドラマで、映画批評サイトRotten Tomatoesでも満足度100%をマークした作品。インドとパキスタンにおける宗教観の違いや文化的にも対立している実情を背景に、インドの純粋な一人の男とパキスタンの少女の友情を描いた物語だ。基本的にはシンプルな展開でありながらも、人間の持つ善意をストレートに表現したラストシーンは、涙なしには観られない。

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ストーリーとしては、パキスタンの小さな村に住む、声が出せない障害を持った女の子シャヒーダーが、母親とインドのイスラム寺院に願掛けに行くが、トラブルから一人インドに取り残されてしまう。そんなシャヒーダーが街で出会ったのは、ヒンドゥー教ハヌマーン神の信者であるパワンだった。パワンは正直者でお人好しのため、居候している自宅でシャヒーダーを預かることにしたが、声の出せないシャヒーダーがどこから来たのかが解らない。そんなある日、あるきっかけで彼女がインドと対立しているパキスタンイスラム教徒だと分かってしまう。一度は彼女を手放そうとするパワンだったが、最終的にはパスポートもビザもなしで国境を越え、シャヒーダーをパキスタンの家に送り届けることを決意する。厳しい旅の果てにパワンは無事にシャヒーダーを母親の元へ送り届けることができるのか?という展開だ。


非常に深いメッセージ性を持ちながらも、インド映画らしいミュージカルシーンと、コミカルな役者陣の演技、テンポの良い編集などで全く飽きずに楽しめるエンターテイメント作だ。直接的なセリフで、高らかに宗教観の違いによる悲劇や政治的なメッセージを伝えるよりも、年齢も性別も国も宗教も違う二人の友情を実直に描くことにより、見事にこのメッセージを雄弁に伝えている。インド映画の新たな傑作だし、多くの人に観てもらいたい作品だった。

 

監督:カビール・カーン

出演:サルマン・カーン、ハルシャーリー・マルホートラ、カリーナ・カプール

日本公開:2019年