映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.129:「羊たちの沈黙」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は129本目。タイトルは、ジョナサン・デミ監督による作品「羊たちの沈黙」。ヤフオクにて中古で購入。現在は廃盤商品で、やや価格が高騰している。映像特典としては「予告編集」のみ。作品としては、1991年アカデミー賞主要5部門を受賞(作品賞/主演男優賞/主演女優賞/監督賞/脚色賞)したサイコサスペンスの金字塔で、ジョナサン・デミ監督の代表作。主要5部門すべてを独占した作品は、「或る夜の出来事」「カッコーの巣の上で」に次いで3作目であり、今もって4作目は出ていない。しかもホラー・サスペンスジャンルでは、アカデミー作品賞を受賞した唯一の映画でもある。トマス・ハリスの同名小説をジョナサン・デミ監督は完璧に映像化しており、特に犯人であるバッファロー・ビルの狂気が伝わってくる”朽ち果てた住処”の描写などは、以降のスリラーサスペンス作品でフォローされまくっている。また暗視スコープの映像を挟んだクライマックスの緊張感は、30年前の作品とは思えないほどだ。

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FBI捜査官であり訓練生のクラリスと、天才精神科医でありながら殺人鬼でもあるレクター博士とのコンビは、後世の映画史にも大きな影響を与えていると思う。紳士で知的な一面を持ちながらも残酷なカニバリズムを行うという、二面性をもった複雑なレクター役をアンソニー・ホプキンスは余裕の佇まいで演じているし、公開当時28歳のジョディー・フォスターは純粋ながらも経験不足という、危なげなFBI捜査官役を熱演している。この二人のコントラストがこの作品の大きな魅力だろう。主演男優賞&主演女優賞のダブル受賞も納得だ。2001年には続編であるリドリー・スコット監督「ハンニバル」が公開され、アンソニー・ホプキンスはレクター役を続投しているが、あまりに暴力的な原作を気に入らなかったジョディー・フォスタークラリス役を降板している。本作「羊たちの沈黙」を久しぶりにブルーレイで観なおしたがHD画質で暗いシーンもハッキリと細部まで確認ができ、この傑作を改めて楽しむことが出来た。

 

監督:ジョナサン・デミ
出演:ジョディ・フォスターアンソニー・ホプキンス、スコット・グレン
日本公開:1991年