映画を観て音楽を聴いて解説と感想を書くブログ

エンタメ系会社員&バンドマンの映画ブログです。劇場公開されている新作映画の採点付きレビューと、購入した映画ブルーレイの紹介を中心に綴っていきます!

映画ブルーレイ購入記&感想Vol.168:「トールマン」

映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は168本目。タイトルは、パスカル・ロジェ監督による作品「トールマン」。ヤフオクにて中古で購入。特典映像は「劇場予告編」「パスカル・ロジェ監督インタビュー」「舞台挨拶」で、計38分が収録されている。「パスカル・ロジェ監督インタビュー」では、本作について「モラルと問うような作品にして、問題提議をしたかった。」と言い、さらに「僕は60~70年代の作品に影響を受けているが、その頃の作品には過去の価値観を壊すようなものが多かった。これからも映画監督としてモラルを問うような作品を撮っていきたい」と語っている。またジェシカ・ビールをヒロインに選んだ理由については「以前から好きな女優で、特に『テキサス・チェーンソー』のリメイクに出演していた彼女が好きだ。『トールマン』の撮影にあたって最初に考えたのが、ジェシカ・ビールだった。」と、ホラーが得意な監督らしい返答をしている。

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作品としては、強烈なゴアシーンで賛否両論を呼んだ「マーターズ」で注目されたフランス人監督パスカル・ロジェが、ジェシカ・ビールを主演に迎えて英語作品として撮ったサスペンス。6年前に鉱山が閉鎖され、急速に寂れていく炭鉱の町「コールド・ロック」を舞台に、正体不明の誘拐犯トールマンによる”子どもの誘拐事件”が発生していた。町で診療所を開く看護師のジェニーも、ある夜自宅から何者かによって息子を連れ去られる事件に遭遇し、彼女は息子の跡を必死に追うことになるというストーリーで、よくある「誘拐ものジャンル」かと思いきや、この後の展開がかなり予想外になるのが本作の魅力だ。ホラー映画の印象が強いのだが”恐怖描写”はまったくなく、どちらかといえば社会派サスペンスの範疇だろう。意図的なミスリード演出が連発し、前半と後半ではまったく違う展開になるので、初見でこのオチが見抜ける人はほとんどいないのでは?と思う。とはいえ映画の構造としては面白いのだが、結末のインパクトとしては弱いためやや残念な作品だった。パスカル・ロジェ最新作の2019年公開「ゴーストランドの惨劇」も未見の為、ぜひ観てみたい。


監督:パスカル・ロジェ

出演:ジェシカ・ビール, ジョデル・フェルランド, スティーヴン・マクハティ

日本公開:2012年