映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は203本目。タイトルは、ジョン・マクティアナン監督による1993年公開作品「ラスト・アクション・ヒーロー」。特典映像としては特に無し。監督は「プレデター」「ダイ・ハード」「レッド・オクトーバーを追え!」のジョン・マクティアナン。マクティアナン監督が1995年「ダイ・ハード3」の直前に撮った作品で、「ナイスガイズ!」「アイアンマン3」のシェーン・ブラックが脚本を担当している。主演はもちろんアーノルド・シュワルツェネッガーで、「トータル・リコール」「ターミネーター2」を経ての”大スター絶頂期”における一作である。共演は近作でも「キングスマン ファースト・エージェント」などで大活躍中のチャールズ・ダンスが悪役を演じていたり、「アマデウス」でサリエリを演じていたF・マーレイ・エイブラハムが、劇中で”モーツァルトを殺した男”として頻繁にいじられていたりと、映画好きなら面白い場面も多い。またジャン=クロード・ヴァン・ダム、シャロン・ストーンなどもカメオ出演している。
作品としては、映画好きの少年が魔法のチケットを手に入れたことにより、アクション映画の世界に入ってヒーローと共に大活躍するという話で、かなりファンタジー要素が強いアクション映画だ。また映画小ネタも満載で、映画内の世界ではターミネーターを演じたのがシルベスター・スタローンだったり、「E.T.」のパロディシーンがあったり、「T-1000」を演じたロバート・パトリックが警察官のコスチュームで登場したりとコメディ色も強い。また、映画の虚構と現実を行ったり来たりするという”メタフィクション”がテーマのストーリーなので、実際の妻であるマリア・シュライヴァーが登場し、シュワルツェネッガーが経営するレストランの宣伝をメディア向けにするのを窘めたり、モノクロのハンフリー・ボガートが登場したりもする。公開当時は製作費の割には興行収益的に苦戦した作品でもあり、決してバランスの良い映画ではないが、チャールズ・ダンス演じる義眼の殺し屋が言う、「この現実の世界では悪者が勝者だ」というセリフにはドキッとさせられる。アクション映画というフィクションの世界から来た悪党が、現実の世界の方がより残酷で荒廃している事に気付くことにより出るセリフなのだが、”おバカアクション”の皮を被りながらも、意外と批評性に富んだ表現が散りばめられた作品だと思う。また久しぶりに聴いたAC/DCの「Big Gun」も最高であった。
監督:ジョン・マクティアナン
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、オースティン・オブライエン、チャールズ・ダンス、F・マーリー・エイブラハム
日本公開:1993年